アイルランド駐中国大使が語る両国交流の温度感 1月会談の“本の話” video poster
2026年に入ってからの対中交流をめぐり、アイルランド駐中国大使ニコラス・オブライエン氏が、都市訪問で見た中国本土の今と、首脳会談で生まれた「温かい一瞬」を語りました。経済や政治の言葉だけでは測れない、関係の“体温”がどこに宿るのかが見えてきます。
この1年で16都市へ──「活力」と「文明の知恵」を現場で感じた
CGTNのデジタル記者・何北北氏のインタビューで、オブライエン大使はこの1年に中国本土の16都市を訪れた経験から話を始めました。海南省の海口、山東省の青島などを巡り、各地の動きに触れたといいます。
なかでも印象的な例として挙げたのが、四川省・成都にある都江堰(とこうえん)灌漑(かんがい)システムです。大使は、現代の経済活動だけでなく、長い時間をかけて培われてきた中国文明の知恵にも目を向けた形です。
大使が語ったポイント(要旨)
- 過去1年で中国本土の各都市を訪れ、経済の「現場の空気」を体感した
- 都江堰灌漑システムなど、歴史的なインフラに「文明の蓄積」を見た
2026年1月の訪中を回想──首脳同士が見つけた『The Gadfly』という共通点
大使は、2026年1月に行われたアイルランド首相(タオイセアフ)ミホル・マーティン氏の訪中にも触れ、「実りある訪問だった」と振り返りました。
とりわけ印象的な場面として紹介したのが、マーティン氏と習近平国家主席が、小説『The Gadfly(ガドフライ)』への共通の好みを偶然見いだしたというエピソードです。大使はこれを「温かく、自然発生的な瞬間」と表現しました。
外交は往々にして、合意文書や声明文の行間で語られます。一方で、読書体験のような個人的な記憶がふいに交差する場面は、相手への理解を“説明抜き”で近づけることがあります。大使がその場面をあえて語ったこと自体が、今回のインタビューの芯になっています。
Riverdanceが中国本土で広がった理由──文化が先に届くこともある
政治・経済の話題に偏らないのも、このインタビューの特徴でした。大使は、アイルランドを象徴する舞台芸術「Riverdance」が中国本土で足場を築き、大きな観客層を得たことを強調しました。
国や言語が違っても、身体表現や音楽は理解の入口になりやすい。オブライエン大使の語りは、両国関係を「政策」だけでなく「体験」として捉える視点を示しています。
「馬の年」へ──旧正月を前に、馬文化で重なるイメージ
さらに大使は、「馬の年」が近づくなかで、アイルランドの伝統的な競馬文化にも言及し、新年のあいさつを送りました。旧正月前後は、経済指標や外交日程のニュースが先行しがちですが、祝祭の言葉は関係のトーンを柔らかく整える役割も持ちます。
都市訪問、文学の偶然、舞台芸術、そして季節のあいさつ。大使の発言は、2026年の両国関係が「硬い議題」だけで動くのではなく、人の感覚に近いところでも支えられていることを静かに伝えています。
Reference(s):
Irish Ambassador to China shares warm moments during bilateral meeting
cgtn.com








