中国本土、2025年の婚姻届が11%増 手続き簡素化と支援策が追い風
中国本土で、婚姻届(結婚登録)が増えています。民政部が公表した最新データによると、2025年の婚姻登録は676万件で、前年(2024年)から約11%増となりました。人口動態への関心が高まるなか、手続き面の改善と、各地の後押し策が「結婚しやすさ」をどう変えているのかが注目点です。
2025年の婚姻・離婚登録はどう動いた?
公表された数字を整理すると、次の通りです。
- 婚姻登録:676万件(前年比+約11%)
- 離婚登録:274.3万件
婚姻登録は、カップル数でみると前年差65.7万組増(前年比+10.76%)でした。
増加の背景:結婚・出産をめぐる支援の「裾野」づくり
今回の増加は、中国本土が近年、適齢期での結婚や出産を後押ししつつ、家族を支える仕組みづくりを広げてきた流れと重なります。とりわけ実務面では、婚姻登録の手続きが軽くなったことが大きな変化として挙げられています。
県をまたぐ婚姻届が出しやすく:地域制限の撤廃
2024年5月に施行された規定により、婚姻登録の地域制限が外れ、戸籍の所在地(世帯登録の場所)に関係なく、国内のどこでも婚姻登録が可能になりました。さらに、登録時に戸籍関連の記録の提示が不要になったとされています。
「住んでいる場所」と「戸籍のある場所」が一致しない人が多い都市部では、こうした変更が手続き上の摩擦を下げ、結果として届け出の増加につながった可能性があります。
人口流入の大都市で伸びが目立つ
政策導入後、県を越えた婚姻登録が増えたようだとされ、特に移動人口の多い都市で伸びが報告されています。例として挙がった都市は以下の通りです。
- 上海:125,102件(2024年比+約38.7%)
- 深圳:118,900件(同+28.54%)
- 福州:37,887件(同+20.37%)
数字だけを見ると、婚姻登録の「総量」だけでなく、都市ごとの伸びの差も印象的です。手続きの利便性が上がるほど、人口が集まる地域で変化が可視化されやすい、という構図も読み取れます。
「お祝い」だけでなく、実利で後押しする自治体も
もう一つの動きが、各地で始まっている結婚支援のインセンティブ(経済的な後押し)です。
- 山西省・呂梁:2025年1月1日以降、同市で初婚登録をしたカップルに1,500元(約216米ドル)の奨励
- 浙江省の複数都市:2024年10月に、結婚関連の消費バウチャー(クーポン)を導入。新婚向けに最大1,000元の給付として、写真撮影、式の企画、旅行、飲食などに利用可能
現金給付とクーポンでは設計思想が異なりますが、いずれも「結婚に伴う手続き・費用・準備」のハードルを下げようとする点で共通しています。
2026年2月時点で見えてくるポイント
2025年の婚姻登録増は、制度変更(どこでも登録できる)と、地域ごとの支援策(現金・バウチャー)が同時に進んだ局面で起きています。結婚は個人の選択である一方、手続きの簡素化や生活コストへの配慮が「選択のしやすさ」を左右する側面もあります。
今後は、こうした施策が大都市だけでなく多様な地域でどのように受け止められるのか、そして婚姻登録の増加が継続するのかが、静かに見られていきそうです。
Reference(s):
cgtn.com








