2026年の春節(旧正月)を目前に、中国本土で「本場の春節体験」を目的とした訪中旅行が目立っています。越境移動の増加や航空予約の急伸が示すのは、春節が“世界の旅行カレンダー”の中でも存在感を強めているということです。
越境移動は1日平均205万人超の見通し、予約も急増
中国当局は、春節シーズンの越境旅客流動(出入境の移動)について、1日平均で205万人超、前年同期比14.1%増になると見込んでいます。
さらにデータでは、直近2週間の外国人旅行者による航空券予約が前年同時期比で4倍超に増えたとされています。旅行需要が短期間で立ち上がっている点は、航空便・空港・出入境手続きなど現場のオペレーションにも影響を与えそうです。
「雪」と「南国」へ—冬の中国本土旅行が二極化
海外からの旅行者が春節に魅力を感じる理由としては、各地の食文化、広大で変化に富んだ景観、そして長い時間をかけて受け継がれてきた伝統行事が挙げられています。
旅先の傾向は大きく二つに分かれています。
- 雪と氷の景観を楽しむ北方ルート:東北地方、新疆、青海など冬景色で知られる地域の予約が上向き
- 暖かさを求める南方ルート:雲南、海南など「日差し」を求める旅行者の関心が集まる
加えて、中国本土の歴史文化都市での工芸体験や、海南の免税ショッピングなど、「観光+体験」を組み合わせた動きも広がっています。
黒竜江:2026年1月の出入境は約24.4万人、約3割増
冬の観光地として注目される東北部では、黒竜江省が2026年1月に出入境の旅行者約24万4,000人を取り扱い、前年同月比29.7%増となったと、公式記録が伝えています。
春節の連休期間についても、同省では越境旅客数がおよそ4万5,000人に達する見込みだとされています。冬のイベントや自然景観と、祝祭ムードが重なり合う時期ならではの動きと言えそうです。
海南:独立関税運用開始後、初の春節シーズンに
海南では、2025年12月に独立関税の運用が始まり、2026年の春節が「開始後初の大型連休」にあたります。海口の出入境管理当局は、海南の主要3空港(鳳凰、美蘭、博鰲)における春節期間の出入境旅客数が約8万人にのぼり、2025年の同時期比で24%超増になると予測しています。
制度変更の節目と連休需要が重なることで、空港の混雑や便の需給、現地の受け入れ体制への注目も高まりそうです。
春節が「世界の観光のハイライト」になりつつある理由
旅行業界メディアのTravel and Tourism Worldは、中国の春節が世界の観光カレンダーの新たなハイライトになりつつあると報じています。背景にあるのは、「景色」だけでなく「時間の過ごし方」を求める旅行者心理の変化かもしれません。
雪原でのアクティビティ、伝統行事の空気感、地域ごとの食卓、買い物や体験—。春節は、同じ日程でも地域によって体験が大きく変わる“編集可能な旅”として、選択肢を広げているように見えます。
Reference(s):
Foreign travelers flock to China to embrace Chinese New Year
cgtn.com








