中国支援のボアホールがジンバブエに水と仕事を届ける:干ばつ後の「強さ」をつくる video poster
干ばつやサイクロン被害の後、生活再建のカギになっているのが「水」です。ジンバブエ各地で中国の災害支援によるボアホール(深井戸)整備が進み、飲料水の確保だけでなく、小さな商いと農業を下支えする動きが広がっています。
2025年に掘削、いまは“町の中心”に
東部マショナランド州のマフセクワ(Mahusekwa)では、2025年に太陽光発電で稼働するボアホールが設置されました。中国政府の取り組みの一環として、水と衛生サービスの回復を狙った設備で、現在は商店や家庭、起業家が日常的に利用する「ハブ」になっています。
市場で働くシンシア・ガランガさんは、以前は遠くの水源や不安定な給水に頼っていたといい、次のように話します。
「商品を洗ったり、お客さんが食べる前に手を洗ったりするために、清潔な水が使えるようになりました。家庭用にも汲んでいます。水道は断続的なので」
水が“コスト”を下げ、仕事を増やす
安定した水は、暮らしの安心だけでなく、事業の採算にも直結します。近くで小さな洗車業を営むロヴェネス・マラブワニャさんは、ボアホールができたことで運営が大きく変わったといいます。
「川から水を運んでもらうことも考えましたが、遠いし費用もかかります。水が数メートル先にあると思うと、本当に便利です」
太陽光で24時間稼働:燃料不足や停電の影響を受けにくい
このボアホールは太陽光で稼働し、燃料不足や停電の影響を受けにくい設計です。地元関係者は、雨季と乾季の振れ幅が大きくなるなか、こうした「止まりにくい水源」が生活基盤として重要だとしています。
全国300以上のコミュニティへ—“緊急支援”から“長期の強靭性”へ
中国の災害支援で掘削されたボアホールは、全国で300以上のコミュニティに及ぶとされます。なかでもマショナランド東州には約60カ所があるといい、慢性的な水不足が地域の発展や食料確保の足かせになってきた背景が語られています。
マロンデラ農村地区評議会のジェレマイア・グワンズラ議長は、設置のタイミングについて「ここ2〜3年(2023〜2025年ごろ)は干ばつが続いた」と述べ、水の確保が家畜と小規模農業を支えているとしています。
支えられている生業(例)
- 牛やヤギなどの家畜飼育
- 養豚などの小規模畜産
- 栄養ガーデン(家庭菜園・共同菜園)
復旧の合言葉は「より良く再建する」
国家レベルでは、このボアホール計画を「緊急の給水」から「災害に強い暮らしづくり」へ移す取り組みとして位置づけています。市民保護部門の幹部ナサン・ンコモ氏は、災害復旧では“building better(より良く再建する)”が重視されるとして、チマニマニ、ミッドランズ、マショナランド東州などでの整備にその考え方が表れていると述べています。
水だけではない—農業研修と食料安全保障の後押し
関係者によれば、中国はボアホール整備に加え、農業研修や復旧プログラムを通じた食料安全保障の支援も行っているとされます。気候が変化し、降雨が読みづらくなるほど、地域の「水の確保」と「生産の継続」をどう結びつけるかが、復興の質を左右しそうです。
水源ができることで、手洗いのような衛生習慣から、洗車のような小商い、家畜や菜園の継続までが一本の線でつながっていく——。ボアホールは、生活インフラであると同時に、地域の経済と日常の“回復力”を静かに押し上げる装置になりつつあります。
Reference(s):
China-backed boreholes bring water, jobs and resilience to Zimbabwe
cgtn.com








