春節目前、中国本土・雲南大理で「馬年の祝福」を木に刻む——白族ジアマ木版の祈り video poster
春節(旧正月)を翌日に控えた2026年2月16日、中国本土各地で準備が進むなか、雲南省・大理市の古い町では「のみ」と「木」の静かな対話が、新年の空気を整えています。白族に伝わる「ジアマ」木版刷りの伝統を守る彫刻師・張仁華(ジャン・レンホア)さんが、梨の木に祝福を刻む作業が注目されています。
にぎわいの裏側で続く、もう一つの春節準備
春節前の街は、飾り付けや帰省の動きで一気にスピードを増します。一方、大理の古い町で進むのは、声を張り上げる必要のない準備です。荒々しい梨の木の塊が、時間をかけて「祈りを運ぶ器」へと変わっていきます。
ジアマ木版刷りとは——「祈り」を形にする技
CGTNの取材によると、張さんが守るのは白族の古いジアマ木版刷りの技術です。木に図柄を彫り、版として用いることで、年の変わり目に合わせた「祝福」や「願い」を目に見える形へ落とし込みます。
素材は梨の木、道具はのみ——主役は「手の時間」
使われるのは、硬くて粘りのある梨の木。張さんは木目を読みながら、少しずつ刃を入れていきます。削り過ぎれば図柄は崩れ、躊躇すれば線は鈍る。版木づくりは、速さよりも「迷いを整える」工程に見えます。
「馬年の祝福」を刻む——粗い木が“聖なる媒体”になるまで
今回のテーマは「馬年の祝福」。完成までの流れはシンプルですが、一つひとつが繊細です。
- 梨の木の塊を整え、彫りに耐える面をつくる
- 図柄の輪郭を取り、線の強弱を意識しながら彫り進める
- 版木として仕上げ、祈りを託す“媒体”へと変える
「木の硬さ」と「人の手の温度」がぶつかり合うのではなく、噛み合っていく。その過程そのものが、新年の“整え”になっているようです。
なぜ今、こうした技が語られるのか
春節は、家族や地域の時間を合わせ直す節目です。そのタイミングで、言葉だけでなく「手仕事のかたち」で祝福を残す行為には、派手さとは別の強さがあります。忙しさが増す季節だからこそ、静かな儀礼が持つリズムが、暮らしの輪郭をもう一度はっきりさせてくれる——そんな見方もできそうです。
Reference(s):
cgtn.com








