春節聯歓晩会、総視聴230.6億回に 伝統とAI演出で記録更新
2026年の「春節聯歓晩会(春晩)」が、テレビとネットを横断する“全メディア”で視聴記録を塗り替えました。数字の伸びは、番組そのものの人気だけでなく、視聴の主戦場が多層化している現状を映しています。
全メディア視聴は230.63億回、TVシェアは13年ぶり高水準
中国メディアグループ(CMG)が制作した春節聯歓晩会は、「喜びと吉祥、にぎやかで楽しい(Joy and Auspiciousness, Festive and Cheerful)」をテーマに、伝統芸能と新技術を組み合わせた構成で放送されました。
北京時間2026年2月17日(火)午前8時時点の集計では、中国本土の国内“全メディア”視聴が230.63億(23.063 billion)に到達し、2025年から37.3%増となりました。
- 全国TV視聴占有率:79.29%(13年で最高水準)
- 1分あたり平均同時視聴(聴取):3.25億
- ピーク時:4億超
ネット視聴が伸長、見逃し・ライブ・アクセシブル版も記録
伸びが目立つのは、国内の新メディア(オンライン)側です。ライブ配信や見逃し視聴が“年越しの視聴体験”を押し広げ、数字を押し上げました。
- 新メディアの「見逃し+ライブ」総視聴:162.07億(前年比49%増)
- CMG自社プラットフォームの見逃し:7.70億(2.7%増)
- CMG自社プラットフォームのライブ累計:6.05億(前年差+6,005万)
- アクセシブル版(複数プラットフォーム合計):2,834万(前年比144%増)
大晦日の家族視聴という“同時性”に、スマホでの“追いかけ視聴”が重なり、視聴が一回限りのイベントから、複数回・複数画面へと広がっている様子がうかがえます。
トレンド2,000件近く、若年層比率も上昇
北京時間2月17日(火)午後1時時点で、関連トピックは主要プラットフォームで約2,000件がトレンド入りし、全国での関連閲覧(リード)規模は271.2億とされています(トレンド入りトピック数は1,939件)。
視聴・閲覧のユーザー構成では、若年層の比率が41.82%に達し、前年から1.35ポイント上昇しました。番組の“見られ方”がテレビ中心からSNS・短尺動画・切り抜き共有へと移るほど、世代差が単純ではなくなる点も興味深いところです。
AI・ヒューマノイドの演目が注目、関心は5.4倍に
技術を前面に出した演出も話題になりました。AIやヒューマノイドロボットに関連する内容への注目は、全体関心の20.99%を占め、前年の5.4倍に増えたとされています。
「伝統文化の再解釈」と「最先端デモンストレーション」が同じ番組内で隣り合うことで、視聴者は“文化番組”としてだけでなく、“いまの社会の空気を映すショーケース”として受け止めやすくなります。
海外向けは85言語、同時放送・大型スクリーン展開も拡大
国際向けの展開も伸びました。CMGは春節聯歓晩会を85言語で世界に向けてカバーしたとしています。
- CGTNの関連リード:23.09億(前年比32.85%増)
- CGTNの動画視聴:8.43億(前年比43.61%増)
- 同時放送・報道協力の海外メディア:約4,000(37.95%増)
- 公共スクリーン上映:98か国の140都市、4,062面(国数12.6%増、スクリーン数15.8%増)
家庭のテレビからスマホ、そして都市空間のパブリックスクリーンまで、視聴の“場所”が増えるほど、番組は単独のエンタメを超えて、季節行事の共有装置としての色合いを強めていきます。
「視聴回数」の時代に、何が測られているのか
春節聯歓晩会は今年も、ロボットを取り入れたパフォーマンス、伝統文化を土台にした演目、心情に寄り添う歌、日常の労働者への敬意、異文化協働、地域色のあるサブ会場などが注目を集めたとされています。こうした構成は、国内の視聴者にとっては“年越しの定番”を更新し、海外の視聴者にとっては“中国本土の今”を立体的に覗く入口になりえます。
一方で、視聴指標が「世帯視聴率」から「全メディア視聴」へと軸足を移すほど、同じ番組が、いつ・どこで・どの単位で消費されたのかという問いも重要になります。数字は熱量を示しつつも、その中身(ライブ視聴か、切り抜きか、見逃しの反復か)まで含めて読む必要がありそうです。
Reference(s):
China's Spring Festival Gala hits 23.06 billion views and counting
cgtn.com








