中国本土の研究チーム、光通信×6G「光無線融合」で512Gbps 帯域ギャップに挑戦
AIデータセンターの急拡大と6G研究の加速で「光ファイバー」と「無線」をまたぐ超高速・低遅延通信が求められる中、中国本土の研究チームが両者の“つなぎ目”を狙った光無線融合システムでデータ伝送記録を更新しました。
Nature掲載:光ファイバーと無線を“同じ仕組み”でつなぐ
研究成果は今週水曜日(2026年2月18日)に学術誌Natureで発表されました。北京大学が主導し、鵬城実験室、上海科技大学、国家光電子イノベーションセンターと共同で進めたとされています。
何が難しかった?「帯域ギャップ」という長年の壁
光ファイバー通信と無線通信は、信号の作り方(アーキテクチャ)やハードウェア制約が根本的に異なります。その結果、両者をスムーズに統合しようとすると、使える周波数帯域の差がボトルネックになりやすい――研究チームはこの状況を「帯域ギャップ」と説明しています。
突破口:250GHz超で動く「集積フォトニクス」デバイス
今回の提案は「光無線融合(fiber-wireless integrated converged communication)」という考え方です。鍵になったのは集積フォトニクス(光の回路を小型チップ上に統合する技術)による超広帯域デバイスで、動作帯域が250GHzを超えるとしています。
どれくらい速い?単一チャネルで512Gbps(光)・400Gbps(無線)
このデバイスを基に構築したシステムは、単一チャネルで
- 光ファイバー通信:512Gbps
- 無線通信:400Gbps
を達成し、ともに記録的な性能だと説明されています。論文の責任著者で北京大学電子学院の王興軍副院長は「長年の帯域ギャップを埋め、既知の最高データ伝送記録を更新した」と述べ、さらに光と無線の“デュアルモード”伝送により干渉への強さも高まるとしています。
6Gの“多人数同時接続”を想定:8Kを86チャネルでリアルタイム
研究チームは、6Gで想定される大規模なユーザーアクセス環境もシミュレーションし、86チャネルでの8K映像のリアルタイム多チャネル伝送を示したとしています。達成した伝送帯域は、現行の5G標準が支える範囲の10倍超だと説明されました。
次に何が焦点?基地局とデータセンターの“境界”が薄くなる可能性
応用先としては、6G基地局や無線データセンターなどが挙げられ、次世代の超広帯域・高速な光無線融合ネットワークに向けた研究基盤になる見通しだとしています。
一方で、研究段階の記録が社会実装へ進むには、消費電力、発熱、量産性、運用コスト、無線側の周波数利用や設備要件など、複数の論点が残ります。とはいえ「光と無線を別物として最適化する」発想から、「同じ基盤で跨いで最適化する」方向へ、設計思想そのものを揺らす成果として注目されそうです。
共有したくなる一文:「光と無線の“つなぎ目”を埋める――6G時代は、ネットワークの境界線そのものが変わっていくのかもしれません。」
Reference(s):
China makes breakthrough in optical communications and 6G research
cgtn.com







