春節の移動が変わる?杭州発2,942km“EV家族旅”が映すロードトリップ新常識
2026年の春節連休、中国本土では「長距離移動=鉄道や飛行機」という定番に加え、電気自動車(EV)で“走りながら旅を組み立てる”家族旅行が現実味を帯びています。浙江省杭州を出発点に、往復2,942kmを走破した3人家族の旅は、その変化を分かりやすく映しています。
杭州→7都市をめぐり、11日で2,942kmのループ
Jiupai Newsの報道によると、王さん一家(3人)は杭州を出発し、福州・贛州・広州など7つの都市を経由して杭州へ戻る「往復2,942km」の旅を完走しました。日数は11日間。移動そのものを旅の一部として楽しむスタイルが特徴です。
総費用は約7,000〜8,000元(約1,013〜1,158米ドル)だったとされ、長距離の周遊でも“見通しの立つコスト感”が意識された点も注目されます。
ホテル中心、でも2泊は「車内で休む」選択
宿泊は基本的にホテルでしたが、恵州と汕頭では2夜、車内で休んだといいます。景勝地の近くで動きやすく、チェックイン時間に縛られにくい。EVを「移動手段」だけでなく、旅の自由度を上げる“拠点”として使う発想が見えてきます。
「静かな車内」が、家族の会話を取り戻した
王さんは「静かで閉じられた車の空間で、めったにない家族のコミュニケーションの時間を持てた」と話したとされます。スマホを眺め続けるのではなく、道中の時間を会話や学習(学校の読書)にあてたというエピソードは、EVの“静粛性”や“個室性”が旅の体験そのものを変えうることを示します。
一人旅でも広がるEVの選択肢:40〜50%で早め充電
似た旅の形は家族連れだけではありません。江蘇省蘇州の趙さんは、1人で江西へ移動する際、サービスエリアや監視付き駐車場が増えていることに安心感を覚えたといいます。
また、バッテリー残量が40〜50%になった段階で充電する運用で、行程を「ギリギリにしない」ことがスムーズな移動につながったとされています。長距離EV移動が、根性論ではなく“運用のコツ”で成立している点が印象的です。
この旅が示すもの:EV普及は「移動のデザイン」を変える
新エネルギー車(NEV、EVなど電動車を含む)の普及は、単に動力が変わる話にとどまりません。どこで休み、どこで充電し、旅程をどう組み替えるか——移動の設計そのものが、より「可変」になっていきます。
今回の事例は、長距離移動が集中しやすい春節のような時期でも、充電インフラや休憩拠点の選び方次第で、周遊型の旅が現実的になることを静かに示しています。
ロードトリップ派が意識したいポイント(記事内事例から)
- 充電は残量40〜50%で“早め”に:余裕が計画の自由度を生む
- 宿泊はホテル+必要に応じて車内休憩:景勝地の近くでテンポよく動ける
- サービスエリアや駐車場の環境を重視:安心感が旅の体験を支える
- 車内時間の使い方を決める:会話や読書で「移動=体験」に変わる
旅のスタイルは人それぞれですが、EVは「遠くへ行く方法」を増やしつつあります。春節の移動が混み合う時期だからこそ、移動を“消耗”ではなく“時間の質”として再設計する動きが、少しずつ広がっているのかもしれません。
Reference(s):
From Hangzhou to the coast: A 2,942km family trip by electric vehicle
cgtn.com








