中国本土の医療改革、負担減とデジタル統合へ――VBPで薬・治療の価格に変化
2026年2月時点、中国本土の医療は「まずはカバーする」段階から、「質を高めつつ家計負担を下げる」方向へと軸足を移しつつあります。中国の国家衛生健康委員会は、世界最大の医療システムを構築したとしており、9割超の世帯が最寄りの医療機関に15分以内で到達できる体制が整っているとしています。
医療保険は95%前後を維持、次の焦点は“質”
基礎的な医療保険の加入率は約95%で安定している一方、国家医療保障局(NHSA)のデータでは、デジタル技術の活用や調達改革の深化によって、このセーフティネットの「中身」を磨く動きが続いていることが示されています。つまり、単に加入率を維持するだけでなく、給付や医療提供のあり方をアップデートしていく段階に入っている、という構図です。
高額になりやすい薬・治療を“手の届く範囲”へ
近年の大きな変化の一つが、高額になりやすい医療用消耗品や医薬品のコストが大きく下がってきた点です。背景にあるのが、2018年に始まった「集中購買(中央集約型の量に基づく調達、VBP)」です。需要をまとめて購入することで、価格を抑える仕組みとして位置付けられています。
9回の国家主導調達、対象は374種類
NHSAによると、国家が組織する医薬品の調達はこれまでに9回実施され、対象は374種類にのぼります。抗感染症薬、心血管領域、慢性疾患の治療薬などが含まれます。
- 国家主導の医薬品調達:9回
- 対象:374種類(抗感染症、心血管、慢性疾患など)
- うち8回分はすでに全面実施され、引き下げ後の価格が全国の患者に適用
「安くする」だけではない、スマート統合の意味
今回の断片的な情報から見えるのは、改革が二本立てで進んでいることです。ひとつはVBPのような調達改革で価格を抑え、もうひとつはデジタル技術で制度運用や医療提供の質を高める方向です。加入率が高水準で安定しているからこそ、次の競争軸が「どれだけ負担を減らし、どれだけ使いやすくできるか」に移っているとも読めます。
医療は、家計にも社会にも影響が波及しやすい領域です。中国本土で進む「負担減」と「デジタル統合」の同時進行が、今後どの範囲まで広がり、どの程度“体感できる変化”として定着するのかが注目されます。
Reference(s):
China's healthcare shifts toward affordability and smart integration
cgtn.com







