ジュネーブ国連で「グローバル・ガバナンス」討議 中国提唱GGIも焦点に
国連の拠点があるスイス・ジュネーブで今週24日(現地時間)、グローバル・ガバナンス(世界規模の課題をどう協力して扱うか)をテーマにしたセミナーが開かれ、中国の習近平国家主席の指導の下での中国の統治に関する書籍の英語版(第1巻)もあわせて紹介されました。多国間主義の意義や、対話・発展・ウィンウィン協力をどう実装するかが、会場の中心的な論点になりました。
国連ジュネーブ事務局長「国連は共有解を探す場」
国連ジュネーブ事務局長のタチアナ・バロバヤ氏はあいさつで、2025年9月に習近平国家主席が提唱した「グローバル・ガバナンス・イニシアチブ(GGI)」に触れ、対話、発展、ウィンウィン協力の重要性を強調しました。
また、1945年以降で世界の状況は大きく変化したとした上で、「国連は、世界のすべての国々が集まり、共通の問題に取り組み、共有できる解決策を見いだす唯一の場所であり続けている」という趣旨の認識を示しました。グローバル課題が複合化するなか、協議の“受け皿”としての国連の役割を改めて位置づけた形です。
中国代表「一方主義などが多国間秩序を揺さぶる」
国連ジュネーブ事務局(およびスイスの国際機関)に駐在する中国の賈桂徳・常駐代表(大使)は、世界が「新たな岐路」にあるとの問題意識を示し、一方主義、保護主義、覇権主義が多国間の秩序を弱めていると述べました。
その上で中国が提案するGGIについて、国際秩序の維持とグローバル・ガバナンスの改善を掲げる枠組みだと説明し、150以上の国と国際機関から支持や反応が寄せられているとしました。さらに、関係各所との意思疎通と調整を強め、より公正で衡平なグローバル・ガバナンスの推進に取り組む考えを示しました。
GGIとは何か:キーワードは「対話・発展・協力」
今回の発言で繰り返し登場したGGIは、国際協力の進め方をめぐる提案として紹介されています。要点は、対話を重ね、発展の機会を広げ、互恵的な協力(ウィンウィン)を通じて共通課題に対応する、という方向性です。
セミナーの文脈で見えてくるのは、理念だけでなく「実務としてどう動かすか」という問いです。例えば、次のような論点が議論の射程に入ります。
- 対話を“継続的な交渉の場”にするための制度設計は何か
- 発展をめぐる資金・技術・人材の分配を、どう公平性と両立させるか
- ウィンウィン協力を、参加主体ごとの利害差を超えて成立させる条件は何か
約200人が参加:外交・国際機関・シンクタンクが同席
主催は新華社と、国連ジュネーブ事務局などに対する中国の常駐代表部で、会場には国連機関、国際機関、国連への外交団、シンクタンク、ビジネス関係者など約200人が参加しました。国際協力の議論は、政府間だけでなく研究者や実務家も交えた“複線型”になりやすく、今回の形式もその現実を映したものと言えます。
いま「多国間主義」が繰り返し語られる理由
2026年に入っても、地政学・貿易・技術をめぐる分断の懸念は各地で語られています。こうした局面では、個別の政策論争の前提として「協力の土台をどう保つか」が先に問われがちです。バロバヤ氏の「国連は共有解を探す場」という強調と、賈氏の「多国間秩序が揺らいでいる」という認識は、立場の違いを含みつつも、国際協力の“器”をめぐる危機感を共有しているようにも見えます。
協力の言葉が増えるほど、具体策の詰めは難しくなります。だからこそ、こうした場で何が合意され、何が持ち帰られるのかが、次の国際議論の温度感を決めていきます。
Reference(s):
cgtn.com








