香港、全住民のAI活用を視野に新委員会「AI+」設置へ——2026/27予算で表明
香港の陳茂波(ポール・チャン)財政長官は2026年2月25日(水)、2026〜2027年度予算案の演説で、人工知能(AI)の産業利用を推進し、最終的に香港の住民全体がAIを採用し使いこなせる状態を目指す考えを示しました。あわせて、産業変革を後押しする新たな司令塔として「AI+および産業発展戦略委員会」を設置し、自らが委員長を務めると述べています。
「AI+」委員会とは:産業変革の“土台”を整える狙い
陳氏によると、新設する「Committee on AI+ and Industry Development Strategy(AI+および産業発展戦略委員会)」は、AIが産業の転換と発展を促すための戦略を策定し、AI活用に適した環境づくり(有利な条件の整備)を進める位置づけです。
参加メンバー:専門家・学術・企業・産業パーク企業
委員会は、専門家、学界、企業、そして産業パーク関連企業で構成されるとされています。研究から実装、事業化までの流れを一つのテーブルで扱う設計がうかがえます。
当面の重点分野:ライフ・ヘルスと「エンボディドAI」
委員会の初期の焦点として、陳氏は次の2分野を挙げました。
- ライフおよびヘルス関連技術:医療・健康分野を中心とした技術領域
- エンボディドAI(Embodied AI):身体(ロボット等)を通じて環境と相互作用するAIの領域
特にエンボディドAIは、ソフトウェアだけでなく現実空間で動く機械・デバイスとの組み合わせが前提になりやすく、産業現場の自動化や高度化と結びつきやすいテーマです。
「全住民がAIに通じる」目標が示すもの
今回の発言で印象的なのは、AIの導入先を企業や行政に限らず、住民全体がAIを採用し、会話や作業の中で使いこなす状態を見据えた点です。産業政策としてのAI推進と、日常レベルのデジタル活用を同じ地平で語った形になります。
今後の注目点(発表された枠組みから読み取れる“論点”)
- 産業別の実装ロードマップ:どの業種から、どんな用途でAIを広げるのか
- 人材・学び直し:住民が「使える」状態をどう作るのか(教育・研修の設計)
- 現場導入の条件整備:データ、計算資源、実証の場など、企業が導入しやすい環境づくり
- 信頼の設計:生活領域でAIが広がるほど重要になる、プライバシーや説明性などの扱い
まとめ:予算演説で示された“AIの都市戦略”がどこまで具体化するか
2026〜2027年度予算案の演説で示されたのは、AIを産業の変革装置として位置づけるだけでなく、香港の住民全体のAI活用まで視野に入れた方向性です。新委員会「AI+」が、重点分野(ライフ・ヘルス、エンボディドAI)からどのように実装を広げ、生活の手触りに落とし込んでいくのか。今後の具体策が注目されます。
Reference(s):
cgtn.com







