中国本土が大気環境基準を改定、PM2.5年平均「25」へ段階的に厳格化
中国本土の生態環境部が、近年の大気改善を踏まえつつ、環境空気(屋外の大気)の質を示す基準を改定しました。ポイントはPM2.5など主要汚染物質の年平均基準を引き下げ、2026年3月1日から移行期間を設けたうえで、2031年から全国で新基準を本格適用することです。
何が変わる?改定された主な数値
今回の改定では、健康影響が注目される微小粒子状物質を中心に、複数の項目で基準が引き締められます(年平均の上限値)。
- PM2.5:35 → 25(マイクログラム/立方メートル)
- PM10:70 → 50
- 二酸化硫黄(SO2):60 → 20
- 二酸化窒素(NO2):40 → 30
PM2.5は髪の毛よりはるかに小さい粒子で、呼吸器や循環器への影響が指摘されることが多い指標です。PM10はそれより大きい粒子を含む指標で、黄砂や道路粉じんなどとも関係します。
「すぐに全面適用」ではない:2段階の導入
新基準は、一気に切り替えるのではなく、移行期間(トランジション)を挟む設計になっています。
- 移行期間:2026年3月1日〜2030年12月31日
PM2.5は年平均30、PM10は年平均60を適用 - 全面適用:2031年1月1日〜
PM2.5(25)、PM10(50)、SO2(20)、NO2(30)など改定値が全国で完全適用
また、測定(モニタリング)方法や技術仕様も更新されるとされ、数値だけでなく「どう測るか」も制度面で整える流れです。
背景:大気は改善、それでも基準はさらに厳しく
生態環境部は、近年の大気質の「全体的な改善」を土台に、基準の強化を進めるとしています。具体例として、北京では2025年に「深刻な大気汚染の日」が1日だったと地方の環境当局が先月公表しました。2013年の58日から大幅に減った計算で、都市の大気対策が数字として積み上がってきた様子がうかがえます。
一方で、基準を引き下げることは「改善が進んだ都市ほど、次のハードルが高くなる」ことも意味します。移行期間を設けたのは、監視体制や産業側の対応、地域間の差を踏まえつつ、全国で同じルールに揃えていくための時間を確保する狙いと読めます。
これから注目したい点
今後の焦点は、基準値の達成だけでなく、達成のためにどんな施策が優先されるかです。たとえば、発電・産業・交通など発生源ごとの対策、都市と地方の差、そして更新される測定手法が実態をどう映し出すかが、政策評価の鍵になります。
国際ニュースとして見ても、数値基準の見直しと段階導入は、環境規制を「現場に着地させる」ための典型的な設計です。2031年の全面適用へ向け、毎年のデータがどのように変化していくのか注目が集まりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








