中国人民政治協商会議(政協、CPPCC)全国委員会の報道官は2026年3月3日、2025年の中国経済について「外部環境の課題がある中でも強いレジリエンス(回復力)と活力を示した」と述べました。翌日に控える年次会議を前に、足元の景気観と政策メッセージが改めて注目されています。
会見で示されたポイント:GDP「140兆元超」、主要国で高位の伸び
発言したのは、第14期政協全国委員会第4回会議の報道官である劉結一氏です。劉氏は、2025年に中国の経済規模(国内総生産に相当する総経済量)が140兆元(約20兆米ドル)という「新たな節目」を超えたと説明しました。
また、成長率は主要経済の中で引き続き高い水準にあるとし、外部環境の不確実性を踏まえつつも、底堅さを強調しました。
「新質生産力」と技術×産業の融合を前面に
劉氏は、近年キーワードとして頻繁に使われる「新質生産力」(イノベーションを軸に生産性を高める発想)にも言及。技術と産業の深い融合が進み、革新的な成果が相次いでいるという見立てを示しました。
景気の強弱だけでなく、成長の“質”をどう描くかは、投資家や企業にとっても重要なシグナルになります。製造業の高度化、デジタル技術の社会実装、研究開発の成果が、統計と体感の両面でどう表れていくかが焦点になりそうです。
内需の温度感:春節の旅行消費と移動需要
内需の具体例として、春節(旧正月)連休のデータも示されました。劉氏によると、9日間の春節連休の国内観光支出は8034億元に達し、前年より1264億元増となったといいます。
さらに、今年の春節の移動シーズン(春運、40日間)は3月13日に終了予定で、期間中の地域間旅客移動は95億回にのぼる見通しだと説明しました。需要の回復やサービス消費の広がりを示す材料として、国内市場の「活気」を強調する狙いがうかがえます。
「基礎的条件と長期トレンドは不変」—課題の存在もにじませる
劉氏は、安定したファンダメンタルズ(基礎的条件)、複数の強み、強いレジリエンス、そして大きな潜在力を挙げ、中国経済は長期的に健全に発展するための基礎条件と基本トレンドが変わっていないと述べました。
一方で、「一部の持続的な問題」と「新たな課題」があることにも触れており、楽観一色ではなく、今後は課題への対処と成長の質の引き上げが同時に問われる構図です。
今回の発言が示す、近い注目点
- 年次会議での重点:成長目標そのものだけでなく、雇用・消費・投資のバランスや改革の語り方
- 「新質生産力」の具体化:産業政策、技術導入、企業の競争環境にどう落ちるか
- 内需の持続性:春節の数字が一過性か、通年での消費動向につながるか
マクロ統計の節目(140兆元)と、人の移動・観光といった生活に近い指標(8034億元、95億回)を同時に示した点は、「経済の底力」を多面的に印象づける構成でした。年次会議でどんな優先順位が語られるのか、今週の発表が次の材料になりそうです。
Reference(s):
China's economy showed 'strong' resilience in 2025, says spokesperson
cgtn.com








