中国の量子計算は世界トップ級 CPPCC委員が2026年の重点も説明
2026年3月4日、人民大会堂で開かれたCPPCC(中国人民政治協商会議)第14期全国委員会第4回会議の「委員通路」で、量子科学技術の進展が注目を集めました。量子計算(量子コンピューター)について「世界トップ級を維持している」との発言が出たためです。
人民大会堂の「委員通路」で語られた量子技術
中国本土の国政助言機関であるCPPCCの「委員通路」は、会期中に委員が取材に応じ、政策や重点分野の現状を説明する場として知られます。きょう4日(水)午後、China Media Groupの記者団の取材に応じたのは、CPPCC委員で九三学社副主席、中国科学院院士の潘建偉氏でした。
14次五カ年計画(2021〜2025)での到達点
潘氏は、すでに終了した14次五カ年計画(2021〜2025)の期間に、中国本土が量子科学技術の発展を強力に推進してきたと説明しました。分野別には、次の点を挙げています。
- 量子通信:国際的な先行ポジションを維持
- 量子計算(量子コンピューター):世界のトップ層に位置
- 量子精密計測:複数領域で世界の先頭クラスに進展
量子技術は基礎研究の色合いが強い一方、通信の安全性、計算資源、測定の高精度化など、産業応用にもつながりやすいのが特徴です。発言は、研究の厚みと応用の広がりを同時に示す形になりました。
15次五カ年計画(2026〜2030)で何を加速するのか
今年から始まった15次五カ年計画(2026〜2030)について、潘氏は「独創的なイノベーション(原始創新)の強化」を掲げたうえで、研究の社会実装を加速させる方針を語りました。ポイントは大きく3つです。
- オリジナル研究の強化:基礎・原理面での突破を継続
- 産学研の深い融合:大学・研究機関・企業の連携を強める
- 成果の転換(実用化)の加速:研究成果を経済・社会の現場につなげる
また、量子技術を通じて「新質生産力(新しい質の生産力)」を育て、高品質な経済・社会発展を後押しする考えも示しました。言い換えると、先端技術を産業の競争力や社会課題の解決に結びつけ、成長の“質”を高める狙いが読み取れます。
量子計算が「トップ級」と言われる意味をどう見るか
量子計算の評価は、単に計算機の性能だけでなく、周辺技術(誤り訂正、安定動作、ソフトウェア、用途開拓など)や、研究から実装への道筋も含めて語られることが増えています。今回の発言は、国家計画の節目(2025年までの総括と、2026年からの加速)というタイミングで、研究の継続性と産業化の意志を同時に強調した点が印象的です。
量子は“未来の技術”として語られがちですが、2026年は、研究成果を社会にどう届けるかがより強く問われる年になりそうです。
Reference(s):
CPPCC member: Chinese quantum computing remains the global top tier
cgtn.com








