中国本土の穀物生産1.43兆斤、全国政協で「農業技術が鍵」 video poster
中国本土の穀物生産が2025年に1.43兆斤(約7億1500万トン)に達したとし、持続的な高収穫のカギは農業の科学技術にある――。全国政治協商会議(全国政協)で、黄三文(こう・さんぶん)氏が強調しました。食料価格や気候リスクが揺れやすい時代に、収量を「面積」ではなく「技術」で底上げする発想が、政策の中心にあることを示す発言です。
全国政協の場で語られた「1.43兆斤」
発言があったのは、北京の人民大会堂で開かれた第14期全国政協第4回会議の「メンバーズ・コリドー(議員通路)」での質疑応答セッションです。黄氏は、2025年の中国本土の穀物総生産が1.43兆斤(1斤=0.5kg換算で約7億1500万トン)になったと説明しました。
ここで注目されるのは、単なる“記録”というより、高水準の生産を「続ける」ための条件として技術を位置づけている点です。
「技術進歩の寄与率64%超」が意味すること
黄氏によれば、2025年に中国本土の農業科学技術進歩の寄与率(生産増や効率化のうち、技術がどれほど貢献したかを示す指標)が64%を超えたといいます。
言い換えると、収量や安定供給を左右する要素として、天候や労働力だけでなく、次のような「技術の積み上げ」が中心になっている、という整理です。
- 品種:耐病性や収量性などを改良した作物
- 栽培:施肥・水管理・病害虫対策などの最適化
- 機械・装備:省力化と精度向上(播種、収穫、選別など)
また黄氏は、現在、中国本土の穀物・野菜・食肉が主に国内で開発された品種に依拠している、と述べました。供給の「量」だけでなく「基盤(種・技術)」に重心を移す姿勢が読み取れます。
14次五カ年計画(2021〜2025年)で進んだ「種」と「農機」
黄氏は、14次五カ年計画期(2021〜2025年)に、中国本土が主要な科学技術イニシアチブやプロジェクトを加速したとも説明しました。重点として挙げたのは、次の2点です。
- 種子産業の振興(安定供給と改良の加速)
- 農業機械・装備の不足分野への対応(現場の“詰まり”の解消)
農業は、種・機械・資材・物流が一本でも滞ると全体が止まりやすい産業です。高収穫の維持を「研究」だけでなく「実装(現場で使える形)」まで含めて捉える、というメッセージにも見えます。
2026年の視点:生産の“上振れ”より「ブレにくさ」
2025年の高水準が示された一方で、2026年は「さらに増やす」だけが論点とは限りません。むしろ、天候の不確実性、コスト、供給網の変動が起きても、収量と品質を大きく落とさないレジリエンス(回復力)が問われます。
黄氏の発言は、食料をめぐる課題を、短期の需給だけではなく中長期の技術投資として語るものでもあります。種子、農機、研究開発から現場普及まで――どこに優先順位を置くのか。全国政協の議論は、その設計図づくりの場として注目されます。
Reference(s):
CPPCC member: Agricultural tech key to China's grain harvest
cgtn.com








