国連で中国が「二重基準」否定 対テロは紛争と貧困の温床断て
2026年3月4日(現地時間)、国連での報告会で中国の傅聡(Fu Cong)国連常駐代表は、テロ対策における「選択的アプローチ」や「二重基準」を国際社会が退けるべきだと述べました。対テロを“取り締まり”だけに寄せず、紛争と貧困を減らし、文明の多様性を尊重することが、テロの温床をなくす道だという問題提起です。
何が語られたのか:国連の戦略を軸に「選別しない」対テロを訴え
発言は、国連事務総長による「国連システムの取り組み(国連グローバル対テロ戦略の実施)」に関する報告のブリーフィングで行われました。傅氏は、この戦略が採択から約20年の間に、テロの防止・対処、加盟国の能力構築、国際協力の強化に重要な役割を果たしてきたと位置づけています。
そのうえで、中国として「国連が引き続き中心的で調整役としての役割を果たすことを支持する」と述べました。
背景:テロは“単独の脅威”ではなく、複合化しているという見立て
傅氏が強調したのは、現在のテロが、武力紛争、国境を越える組織犯罪、社会的不平等、新興技術の悪用と結びつきやすくなっている点です。こうした「絡み合った課題」が、国際の平和と安全保障に長い影を落としているという認識が示されました。
具体的な呼びかけ:アフガニスタン、シリア、パキスタン、アフリカ
発言では、地域ごとの課題に踏み込んだ呼びかけもありました。要点は次の通りです。
- アフガニスタン:同国が再びテロ組織の拠点とならないよう、アフガニスタン政府に具体的措置を取るよう促しました。
- シリア:シリア暫定政府に対し、安保理が指定するすべてのテロ組織を断固として取り締まり、シリア領が他国の安全を脅かす足場に使われないよう求めました。
- パキスタン:パキスタンで続く攻撃に触れ、バロチスタン解放軍(Balochistan Liberation Army)とそのマジード旅団(Majeed Brigade)を、安保理の「1267制裁リスト」に速やかに掲載すべきだと主張しました。
- アフリカ:国際社会がアフリカ諸国やアフリカ連合などの地域機構との協力を深め、大陸の対テロ能力強化を支援するよう呼びかけました。
中国の関与:国連基金を通じた協力と、第9回見直しへの姿勢
傅氏は、中国政府がグローバル対テロ戦略の実施を重視しているとしたうえで、国際的には二国間・多国間の協力を進めてきたと説明しました。また、中国・国連平和発展基金を通じ、アフリカや中央アジアに関連プロジェクトを支援しているとも述べています。
今後については、戦略の「第9回見直し」に建設的に関与し、関係各方面とともに「持続的な平和と普遍的な安全保障」に向けた貢献を行う考えを示しました。
いま注目されるポイント:対テロをどう“公平に”運用するか
今回の発言が投げかけたのは、対テロをめぐる国際協力が、誰に・どの地域に・どの基準で適用されるのかという「運用の公平性」です。取り締まりと同時に、紛争や貧困、社会的不平等、新興技術の悪用といった複合要因にどう向き合うのか——その設計が、次の見直し議論の焦点の一つになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








