中国、重力ロケット向け220トン級メタンエンジン「藍焔」長時間試験で前進
2026年3月上旬、中国の商業宇宙企業ランドスペース(LandSpace)が開発する液体酸素・メタンエンジン「藍焔(Lanyan)」が、長時間のフルシステム試験を完了しました。中国メディアグループ(CMG)が報じており、大型・重力ロケットに向けた高性能液体ロケットエンジン開発の節目として注目されています。
「藍焔」とは:220トン級の液体酸素・メタンエンジン
報道によると「藍焔」は、推力クラスが「220トン級」の液体酸素–メタン(LOX/メタン)エンジンです。次世代の大型・重力打ち上げ機を支えることを想定し、将来の深宇宙探査、有人月ミッション、軌道投入能力の拡張などに寄与するとされています。
技術の核は「フルフロー段階燃焼サイクル」
「藍焔」の特徴は、フルフロー段階燃焼サイクル(full-flow staged-combustion cycle)を採用している点です。報道では、2つのプリバーナー(予備燃焼器)を持つ構成が説明されています。
2つのプリバーナーでポンプを駆動
- 燃料リッチ(燃料過多)のプリバーナー:燃料ポンプを駆動
- 酸素リッチ(酸素過多)のプリバーナー:酸化剤ポンプを駆動
それぞれのガス流が主燃焼室に入り、そこで完全燃焼することで、燃料と酸化剤の流量をより精密に制御しやすくなり、効率向上につながる、とされています。
従来設計と比べた「利点」と「難しさ」
CMGの説明では、この構成は従来型と比べて次のような点が挙げられています。
- 効率が高い
- 構造をよりコンパクトにできる
- 長寿命化が期待できる
一方で、設計・試験・製造の難度が上がるともされ、性能だけでなく「再現性」と「信頼性」を積み上げるための工程が重要になります。
試験の積み重ね:2025年5月から点火試験は100回超
「藍焔」は2025年5月に最初のフルシステム試験を実施して以降、100回を超える点火試験を完了したと報じられています。今回の「長時間」フルシステム試験の完了は、エンジンの技術成熟度がさらに高まったことを示す材料とされています。
なぜ今、このニュースが読まれているのか
ロケットエンジン開発は、単発の成功よりも「同じ条件で繰り返し動くか」「想定した運用時間を満たせるか」といった積み上げが価値になります。今回の長時間試験の完了は、次世代の大型・重力ロケットに必要な“運用に近い形”での前進として受け止められやすい出来事です。今後は、試験データの蓄積とともに、実機ロケットへの統合や量産・品質管理の段階でどのような進展が示されるかが焦点になりそうです。
Reference(s):
China makes breakthrough in methane engine for heavy-lift rockets
cgtn.com








