中国本土最大の炭層メタン田「大吉」年産40億m³超、ガス供給の新柱に
中国本土の天然ガス供給を左右する「非在来型」資源で、山西省の大吉(Daji)ガス田が年産能力40億立方メートル(bcm)を超えました。深部炭層からの安定生産が進み、ガス供給の新たな支えとして存在感を強めています。
何が起きたのか:年産能力4bcmを突破
中国本土北部・山西省にある大吉ガス田は、年間の生産能力が40億立方メートルを超え、中国本土の天然ガス供給における重要な新戦力になったとされています。
2026年に入ってからは新たに16坑井(井戸)を掘削し、年2億5000万立方メートル分の追加能力を整備。これにより日産は1100万立方メートルを超え、前年同時期比で32%増となりました。
炭層メタンとは:石炭層に閉じ込められた「ガス」
炭層メタン(Coalbed Methane)は、地下深部の石炭層に吸着、または遊離した状態で存在する天然ガス資源です。一般に地表から1500メートル超の深部に埋蔵されるとされ、開発には高度な掘削・生産技術が求められます。
「禁断の領域」とされた深部開発、技術が突破口に
炭層メタンは、従来型の天然ガスと比べて埋蔵が深く、地質条件も複雑で、採取の難易度が高いとされてきました。長年、こうした深部は石油・ガス探鉱において「禁断の領域」とみなされていたといいます。
この分野で転機となったのが、2019年に中国石油天然気集団(CNPC)が開始した技術的ブレークスルー計画です。大吉3-7井で初の産業的ガス流を実現し、2021年12月には吉深(Jishen)6-7井が日量10万立方メートル超を記録。深部炭層メタンを効率的に生産するうえでの大きな節目となりました。
数字で見る大吉ガス田:規模と位置づけ
- 平均埋蔵深度:約2130メートル
- 確認された地質埋蔵量:4000億立方メートル
- 中国本土で初の大規模炭層メタンガス田
- 中国本土の炭層メタン総生産量の80%以上を占める
なぜ今、注目されるのか:供給の「厚み」をつくる
今回のポイントは、単なる増産だけでなく、難度の高い深部資源が「生産能力」として積み上がっている点です。足元の供給を押し上げると同時に、設備投資・技術開発の積み重ねが中長期の安定供給につながるかが焦点になります。
一方で、深部の開発は地質の不確実性や技術要件が大きく、増産が常に直線的に進むとは限りません。生産効率の改善、追加掘削のペース、そしてガス需要の動きが、今後の見通しを左右しそうです。
Reference(s):
China's largest coalbed methane field surpasses 4 bcm annual capacity
cgtn.com








