中国本土、15次五カ年(2026-2030)で市場安定策を強化へ
中国本土の証券監督管理委員会(CSRC)は2026年から始まる「第15次五カ年計画(2026〜2030年)」期間に、市場安定メカニズムを中国の実情に即して強化する方針を示しました。株式市場をめぐる制度設計が“次の5年”のテーマとして前面に出てきた形です。
何が発表されたのか:市場の“揺れ”への備えを厚く
CSRCの呉清・主席は、2026年3月6日(金)に開かれた第14期全国人民代表大会(全人代)第4回会議の経済に関する記者会見で、景気の局面変化をまたいだ調整(クロス・サイクル)と、景気変動に逆らう調整(カウンター・サイクル)の「ツールとメカニズム」を拡充し、市場の内生的な安定性を高める考えを述べました。
重点は「上場の真実性」から「投資しやすさ」へ
呉主席は、上場企業に求める焦点を、形式的な「真実性」要件にとどめず、投資対象としての魅力(投資可能性)を高める方向へ移すと説明しました。具体策として挙げられたのは、企業統治(コーポレートガバナンス)の改善や株主還元、M&A(合併・買収)市場の活性化です。
示された主な施策(発言ベース)
- 企業統治の改善:インセンティブ(動機づけ)と規律(制約)の仕組みを精緻化
- 株主還元の強化:配当の拡充、自社株買いの促進
- M&A市場の活性化:資源配分の最適化を後押し
狙いとして、より多くの「世界水準の企業」を育てる目標も示されました。
A株市場は時価総額110兆元超、基礎体力を強調
市場の現状について呉主席は、A株市場の時価総額が110兆元(約15.2兆ドル)を超えたと述べました。市場の規模、構造、質が改善し、レジリエンス(しなやかな強さ)やリスク耐性が高まっているという認識も示されています。
株式市場は「経済のバロメーター」へ——期待の安定装置として
呉主席は、株式市場が経済のバロメーターとしての役割をより強めているとし、雇用、企業活動、市場の期待、そして経済全体の信頼感を下支えする機能が重要になっていると強調しました。制度面の整備が、価格変動そのものだけでなく、期待形成にも影響し得る——そんな含意をにじませる発言と言えます。
これから注目したいポイント
今回の発表は「2026〜2030年」という中期の設計図を示したものです。今後は、どのような調整ツールが拡充されるのか、配当・自社株買いの位置づけがどう具体化するのか、M&Aの活性化がどのようなルールや実務の整備につながるのかが、焦点になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








