中国主要10省市、15次五カ年計画へ「新質生産力」と成長目標を加速
2026年に始まった15次五カ年計画(2026〜2030年)を前に、中国の主要な省級経済圏が「新質生産力」と成長目標をどう両立させるかが、今年の政策運営の焦点になっています。
二会で示されたメッセージ:課題の“新局面”に踏み込む
中国の全国人民代表大会と政治協商会議(いわゆる「二会」)の場で、習近平国家主席は江蘇代表団の討議に4年連続で参加してきたとされます。提供情報によると、指示の重点は次のように変化してきました。
- 2023年:高品質な発展
- 2024年:地域の実情に合わせた「新質生産力」
- 2025年:経済大省が国家発展で主要な役割
- 2026年3月5日(木):新しい状況を研究し、新しい問題を解決するため、さらに力を入れる
方向性は一貫しており、15次五カ年計画期に入るいま、経済の中核を担う省・直轄市に対し、成長だけでなく「質」と「耐性(レジリエンス)」を同時に高める役割が強く求められている構図です。
「経済の機関車」主要10省市の存在感
提供情報では、2025年における中国の上位10の省級経済(広東、江蘇、山東、浙江、四川、河南、湖北、福建、上海、湖南)が、全国成長の62.2%を占め、GDP成長に3.1ポイント寄与したとされています。規模だけでなく、製造業の集積、研究開発(R&D)強度、イノベーションの生態系が厚い地域が多い点が特徴として挙げられています。
2026年の成長目標:全国目標(4.5〜5%)に近い水準
主要10省市の2026年成長目標は、提供情報の範囲で次の通りです(全国目標4.5〜5%に整合的な設計)。
- 広東:4.5〜5%
- 江蘇:5%
- 山東:5%超
- 浙江:5〜5.5%
- 四川・湖北:おおむね5.5%
- 河南・福建・上海・湖南:おおむね5%
また、形式的な目標にとどまらず、実行段階で上振れを目指す姿勢も示されているとされます。
キーワードは「新質生産力」:何を指すのか
提供情報によれば「新質生産力」は、技術のブレークスルー、産業高度化、制度改革に支えられた、イノベーション主導で高効率な生産性(生産力)を意味する概念です。単なる新産業の育成に限らず、研究成果を市場につなぐ仕組みや、既存産業のアップグレードまで含む“総合パッケージ”として位置づけられています。
15次五カ年計画の優先事項:3つの柱
主要省市が直面するのは、国際環境の不確実性が増すなかで、国内の構造課題にも同時に向き合う「二重の課題」だと整理されています。その上で、優先事項は大きく3つです。
1)新質生産力で先導:コア技術、橋渡し、産業転換、改革
提供情報に基づく要点は次の通りです。
- コア技術で新たな突破を確保する
- 研究(ラボ)から市場へつなぐ新たな経路をつくる(イノベーション・産業・資本・人材の連結)
- 伝統産業の高度化と、新興・未来産業の育成で新たな領域を開く
- 制度上の障害を取り除く改革で成果につなげる
2)経済のレジリエンス強化:統一大市場と高水準の開放
外部ショックへの備えとして、国内の「統一大市場」(財・サービス・生産要素がより円滑に行き来できる大きな市場づくり)への統合を深めつつ、対外開放も高いレベルで進めること、そしてリスクに備える「ボトムライン思考」が挙げられています。
3)共に豊かに:雇用・所得・公共サービス・社会保障
成長の果実をより広く行き渡らせるため、質の高い雇用の拡大、都市・農村の所得向上、公共サービス改善、社会保障強化が柱として示されています。高成長だけでは測れない「生活の下支え」をどう積み上げるかが、地域政策の実務に落ちていく論点になりそうです。
この先の見どころ:目標の“数字”より、実装の速度
2026年は、15次五カ年計画の初年度です。主要省市にとっては、掲げた成長率そのものよりも、
- 研究成果を市場に移す仕組みが動くか
- 伝統産業の更新が雇用と両立するか
- 統一大市場の制度設計が現場のコストを下げるか
といった「実装」の速度と質が、次の4年の景色を左右していきます。経済の“機関車”とされる地域が、どの領域で先行事例を作るのか。二会後の政策運用と、地方の具体策に注目が集まります。
Reference(s):
How China's key provincial economies gear up for 15th Five-Year Plan
cgtn.com








