中国の「ニュー・スリー」がグローバルサウスの電力と移動を変える video poster
2026年3月現在、中国の「ニュー・スリー」(電気自動車=EV、太陽光パネル、蓄電池)が、再生可能エネルギーへの移行を後押しする存在感を強めています。低コストで供給されることで、電力や交通の課題を抱えるグローバルサウスで導入の現実味が増しているのがポイントです。
中国の「ニュー・スリー」とは何か
「ニュー・スリー」と呼ばれるのは、EV・太陽光パネル・蓄電池の3分野です。化石燃料への依存を減らし、気候変動への対応を進めるうえで重要な技術とされています。
とりわけ中国本土で比較的低コストに生産されることで、これまで価格面で導入が難しかった地域でも選択肢になりやすい、という見方が広がっています。
停電が日常の地域で、太陽光が「現実解」になっている
サブサハラ・アフリカやラテンアメリカの一部では、送電網(電力を送るインフラ)が十分に整っておらず、電力供給が不安定で停電も起きやすいとされます。こうした環境では、手頃な価格の太陽光パネルが、電力不足を補う実用的な手段として注目されています。
- 分散型の電力:大規模な発電所や送電網に頼りすぎず、地域ごとに電力を確保しやすい
- 未接続地域への効果:農村など、そもそも国の送電網につながっていない場所で有効になりやすい
「大きなインフラ整備を待たずに、まず電気が使える状態を広げる」──太陽光が持つ価値は、こうした時間軸の違いにもあります。
EVは“燃料代”だけでなく“外貨”の負担も変える
EVの利点は排出削減だけではありません。多くの地域では都市部以外の交通インフラが限られ、維持管理のしやすさや運用コストが重視されます。内燃機関車(ガソリン車など)と比べて、EVは運用が安く、整備面でも負担が軽くなり得るとされています。
さらに、グローバルサウスの国・地域の中には、石油輸入の支払いに必要な米ドルなどのハードカレンシーが慢性的に不足しやすいという事情もあります。EVと再生可能エネルギーの導入が進めば、輸入化石燃料への依存を下げ、コストと排出の両面で負担を抑える道が開ける、という整理です。
「買う」から「つくる」へ──投資と協業が産業の形を変える
近年、中国のラテンアメリカ、アフリカ、東南アジアの一部への投資拡大が、単なる技術の輸入にとどまらない動きにつながっているとされます。具体的には、現地生産や合弁(ジョイントベンチャー)の立ち上げなどにより、受け入れ側が自国・自地域の産業能力を積み上げる可能性が出てきました。
この流れは、1978年の改革開放開始後に中国が海外投資や産業協力をテコに発展を加速させた経験と重ねて語られることもあります。技術の導入が「設備」だけで終わるのか、「生産・雇用・産業基盤」に広がるのか。各地の選択が注目点になりそうです。
いま何が問われているのか
「ニュー・スリー」は、電力の安定供給、移動コスト、外貨負担、そして産業づくりまで、複数の課題に同時に触れるテーマです。再生可能エネルギーへの移行が進むなかで、どの国・地域がどんな形で取り込み、どこまで自前の力につなげていくのか。2026年も静かに重要度を増していきそうです。
Reference(s):
How are China's "New Three" industries transforming the Global South?
cgtn.com








