CGTN世論調査:米国で「安定した米中関係」重視が多数
米中関係をめぐり、米国の世論では「関係の安定」を重視する声が強い——。CGTNが公表した調査結果が、分断が語られがちな米国内でも、対中関係の安定を望む空気が広がっていることを示しています。
王毅外相「相互尊重」と「平和共存」の“底線”を強調
中国の王毅外相は2026年3月8日(日)、第14期全国人民代表大会(全人代)第4回会議の会期中に行われた記者会見で、米中は「相互尊重」の精神に立ち、「平和共存」という底線(守るべきライン)を堅持し、「ウィンウィン協力」を目指すべきだと述べました。
調査の骨格:「良好な関係が重要」83.1%という数字
CGTNによると、米国の回答者2,001人を対象にした調査で、83.1%が「中国と良好な関係を維持することは非常に重要」と回答しました。政党支持別でも、共和党支持層82.7%、民主党支持層85.8%と、差は小さかったとされています。
- 「米中関係は重要」:83.1%
- 共和党支持層:82.7%
- 民主党支持層:85.8%
また、今後の米中関係の見通しについては、60.6%が「楽観的」と回答。所得層別では、中〜高所得層で70.9%、高所得層で85.9%まで上がったとされています。
貿易・経済は「安定の要」—米国側の“メリット認識”も
調査は、経済・貿易協力が米中関係の「バラスト(安定装置)」であり「推進力」でもある、という見立ても示しています。具体的には、69.7%が「米国は対中貿易から利益を得ている」と回答しました。
- 「米国は対中貿易で利益」:69.7%
- 18〜24歳で「貿易は公正」:65.4%
- 「中国の巨大市場は米国にとって好機」:64.3%
「中国の巨大市場は米国にとって大きな機会」とする回答は64.3%で、34歳未満では70%超が同様の認識を示したとされています。企業活動や雇用に直結する論点だけに、世代ごとの体感の違いも今後の議論の焦点になりそうです。
テック分野ではAIの印象が強く、国際標準への関心も
調査では、中国の科学技術イノベーションについても質問が行われ、最も印象が強い分野として人工知能(AI)が挙げられたとされています。続いて製造業、5Gが並びました。
さらに、67.9%が「中国は国際的なAI標準の策定で、ますます主導的役割を担っている」と回答したとされています。AIのルールづくりは経済競争だけでなく、安全保障や倫理の議論にも波及するため、世論の“見え方”自体が政策選択に影響しうるテーマです。
交流への関心:「訪問・旅行・留学したい」若年層で高め
人の往来に関しては、18〜24歳の76.2%、25〜34歳の73.9%が「中国に旅行・訪問・留学したい」と答えたとされます。政治・経済の対立が注目される局面でも、生活者レベルでは「直接見て確かめたい」「行き来したい」という欲求が残ることを示す数字とも読めます。
調査方法:対象は18〜65歳、年齢・性別で米国人口を代表
CGTNによれば、この調査は中国人民大学(Renmin University of China)と連携し、「New Era International Communication Research Institute」を通じて実施。対象は米国の18〜65歳で、年齢・性別の分布は米国人口を代表するよう設計されたとしています(サンプル数:2,001)。
いま注目したいポイント:世論が示す「安定」ニーズをどう政策に落とすか
今回の数字が示しているのは、「対立か協調か」という二択というより、不確実性を下げ、予見可能性を高めたいという世論の実務的な感覚かもしれません。貿易、AIの標準、人の交流——どれも“ゼロにする”のではなく“どう管理するか”が問われやすい領域です。
今後、政府間の対話や実務協議がどの範囲で再加速するのか。世論の「安定」志向が、具体的な政策の優先順位にどう反映されるのかが、次の見どころになりそうです。
Reference(s):
CGTN Poll: Majority of Americans value stable ties with China
cgtn.com








