中国本土の小さな島が再エネで3万2千人を電力供給—「ゼロカーボン島」の暮らし video poster
「カーボンピーク」「カーボンニュートラル」は大きな言葉ですが、暮らしをどう変えるのか——。中国本土・江西省九江市の綿川島では、約3万2,000人の住民が再生可能エネルギー(再エネ)由来の電力で日常を支える例として注目されています。
台風や嵐のたびに停電…島が抱えていた現実
綿川島はかつて、嵐が来るたびに停電が起きやすい環境にありました。電気が止まると、生活の不便さだけでなく、商売や通信にも影響が出ます。
「停電」が奪っていたもの
- 店舗の冷蔵・冷凍が止まり、商品が傷む
- 通信や信号が不安定になりやすい
- 夜間も復旧状況が気になり、落ち着いて休めない
いまは風力などのグリーン電力で島全体をカバー
提供情報によると、綿川島は中国で「初の実働(運用中)のゼロカーボン島」とされ、風力などのグリーンエネルギーで島の電力需要をまかない、余剰電力を近隣の都市へ送ることもあるといいます。
重要なのは、目標やスローガンの話にとどまらず、電気の安定が日々の安心につながっている点です。
住民の実感:風車の回転が「安心」の象徴に
現地で紹介されたのが、島でスーパーマーケットを営む高子娟(ガオ・ズージュエン)さんの声です。以前は、嵐のたびに停電が心配で、商品の管理や営業への影響が大きかったといいます。
一方で現在は、稼働するタービン(風車)によって電力が安定し、「安心して過ごせる」という実感につながっていると語られています。政策用語として語られがちな脱炭素が、生活の手触りとして理解できるエピソードです。
「ゼロカーボン」は暮らしの言葉になれるか
綿川島の事例は、脱炭素の議論が“産業”や“国家目標”に偏りがちな中で、生活者の視点から見える変化を示します。電力の安定は、経済活動(商店の営業)や情報アクセス(通信の安定)と結びつきやすく、結果として地域のレジリエンス(災害などへのしなやかな強さ)にも関係してきます。
もちろん、どの地域でも同じ方法がそのまま当てはまるわけではありません。ただ、停電という身近な不安が減ることで、脱炭素が「遠い話」から「日々のインフラ」へと近づく——綿川島は、その一つの形を見せていると言えそうです。
Reference(s):
How a small Chinese island powers 32,000 people with green energy
cgtn.com








