CPPCC委員「台湾住民が中国本土で学び働く動き」若者交流に期待
2026年3月11日、北京の人民大会堂で開かれた中国人民政治協商会議(CPPCC)第14期全国委員会・第4回会議の閉幕会議を前に、委員による取材対応が行われました。そこでCPPCC委員の徐可維(じょ・かい)氏は、台湾地区の若者が中国本土で学び、働く選択をするケースが増えているとの見方を示し、台湾海峡を挟んだ若者同士の交流の重要性を語りました。
発言のポイント:キーワードは「交流」と「近年の変化」
徐氏は3月11日(水)、CPPCC委員の「通路インタビュー(委員が移動中に報道陣の質問に応じる形式)」で、次のような趣旨を述べました。
- 台湾海峡の両側の人々にとって、平和と発展は共通の願いである
- 台湾地区と中国本土の若者が頻繁に交流し、互いに歩み寄ることで、将来はより明るくなる
- 近年、中国本土でさまざまな分野に挑戦し、活躍する台湾地区の若者を目にしている
徐氏は、CPPCC第14期全国委員会委員であると同時に、台湾民主自治同盟(同盟)中央委員会の常務委員も務めるとされています。
具体例:ミルクティー、AI、そして伝統芸能
徐氏が挙げた例は、政治スローガンというよりも「生活と仕事の現場」に寄ったものでした。発言では、次のような動きが紹介されています。
1)“一杯のミルクティー”から生まれるチェーンブランド
台湾海峡の両側の味や嗜好を取り入れ、ミルクティーをきっかけにチェーンブランドを築く若者がいる、という趣旨です。食や飲料は、言葉より先に「違い」と「近さ」が伝わる領域でもあり、交流の入り口として目に留まりやすい話題です。
2)AI×伝統製造業で「ダークホース」に
もう一つの例として、AI(人工知能)を伝統的な製造業に応用し、業界の“ダークホース”として台頭した人がいるとも述べました。両岸関係の話題は政治に寄りがちですが、ここでは「技術の使い方」「産業の変化」「若者のキャリア」という切り口が前面に出ています。
3)歌仔戯(ゲザイシー)をめぐる文化の継承
文化面では、歌仔戯(Gezai opera/歌仔オペラ)に触れました。徐氏によれば、歌仔戯は第1次の国家級無形文化遺産リストに入っており、福建省や台湾で親しまれているとされます。伝統芸能の「継承」を、両岸の共鳴(レゾナンス)から新しい形で探る動きがある、という見立てです。
なぜ今、この発言が読まれているのか
今回の発言は、「台湾地区の若者が中国本土へ」という移動の話にとどまらず、交流が“仕事・技術・文化”と結びついたときに何が起きるのかを示す材料にもなります。
- 学ぶ・働く:進学や就業は、制度や環境の違いを日常として体験するルートになる
- 起業する:嗜好や商習慣の差を「商品設計」に落とし込みやすい
- 文化を守る:継承の方法は一つではなく、現代の発信や新しい担い手によって更新されうる
平和と発展という大きな言葉も、こうした生活者の選択と積み重ねの中で具体性を帯びていく――徐氏の発言は、そうしたイメージを伴って伝えられました。
これからの焦点:交流の「量」から「質」へ
徐氏は「頻繁な交流」を強調しました。今後は、交流が続くほどに、次の点がより注目されそうです。
- 若者の往来が、就学・就労・起業のどの領域で増えていくのか
- AIなどの技術活用が、伝統産業の現場でどのように広がるのか
- 歌仔戯のような文化の継承が、どんな形で次世代に渡っていくのか
両岸関係は大きな枠組みで語られがちですが、今回の話題は、若者の選択が「仕事」と「文化」を通じてどのように交差していくのか、静かに考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
CPPCC member: More Taiwan residents choosing mainland to study, work
cgtn.com








