山西・劉寨村、的確な貧困対策で所得2.5万元超へ CPPCC委員が報告
中国本土の貧困対策と農村振興をめぐり、山西省の一つの村が「インフラ整備+産業づくり+人の回帰」で景色を変えた――そんな現場の報告が、2026年3月11日に北京で語られました。
CPPCCの場で語られた「劉寨村の変化」
中国人民政治協商会議(CPPCC)第14期全国委員会の委員で、山西省・長治市(ちょうちし)にある壺関県(こかんけん)劉寨村の中国共産党(CPC)支部書記でもある程玉珍(チェン・ユージェン)氏が3月11日(水)、人民大会堂で開かれた「メンバーズ・コリドー(Members' Corridor)」で村の歩みを紹介しました。これは会議の節目に合わせ、委員が取材に応じる場だとされています。
30年以上前は「インフラが弱い村」だった
程氏によると、劉寨村は30年以上前、インフラが弱く、発展が遅れていたといいます。程氏は2011年に村のCPC支部書記に選出された後、住民とともに貧困からの脱却と「ほどほどに豊かな暮らし」を目指す決意を固めたと述べました。
政策支援と住民の努力で、水・電気・道路・ネットが改善
転機として挙げられたのが、国の「的確な貧困対策(ターゲット型の貧困支援)」と、地元住民の取り組みです。村では次のような基盤整備が進んだとされています。
- 水道などの水インフラ
- 電力供給
- 道路
- インターネット環境
同時に、村では「6つの基幹産業(柱となる産業)」を育成。2016年には村全体が貧困から脱却し、その後も暮らしが着実に改善しているといいます。
伝統の酒造りを“現代の産業”へ:蒸留所と独自ブランド
程氏は、貧困脱却後の焦点として「特色ある産業づくり」を強調しました。劉寨村では、伝統的な酒造りの技術を生かして近代的な蒸留所を設立し、独自ブランドも立ち上げたとされています。こうした地場の強みを産業化する動きが、住民の所得増につながっているという説明です。
産業×観光で人が動く:2025年は1万人超が来訪
さらに村は、産業を観光とも結び付けてきたといいます。程氏によると、昨年(2025年)は、たき火を囲む集まり、果物狩り、農村フードフェスティバルなど30以上のイベントを実施し、近隣都市から1万人以上の来訪者を集めたとのことです。
所得は2.5万元超、若者の帰郷とライブ配信・民宿も
現在、村の1人当たり所得は2万5000元(約3,634米ドル)を超えたとされます。加えて、若者が帰郷して起業する例も増え、ライブ配信(リブストリーミング)に取り組む人や、民宿運営に携わる人もいるということです。程氏は、産業が伸び、人が戻り、環境も心地よい――そんな「農村振興」の姿が見えてきたと表現しました。
“成功の物語”の裏側で、次に問われること
劉寨村の事例は、インフラと産業、そして人材(若者の回帰)が噛み合ったときに何が起きるかを具体的に示します。同時に、観光の継続性、産業の多角化、地域の暮らしとのバランスなど、次の段階での課題も自然と浮かびます。村がどのように歩みを深めていくのか、今後の動きも注目されます。
Reference(s):
CPPCC member: Targeted policies have helped a poor village thrive
cgtn.com








