西蔵・サキャ寺院の宝物をデジタル保存へ 全国政協委員が加速提案
中国・西蔵自治区シガツェにあるサキャ寺院について、貴重な経典や壁画、彫刻などをデジタル技術で守る取り組みを加速すべきだという提案が、最近注目を集めています。環境による損傷リスクに備えつつ、研究者や一般の人々がより広くアクセスできる形を目指す動きです。
サキャ寺院とは:11世紀創建、膨大な文化財を所蔵
サキャ寺院は、中国・西蔵自治区のシガツェに位置し、11世紀に創建されたとされています。仏教経典の膨大なコレクションをはじめ、壁画、彫刻、歴史的な遺物などで知られています。
「デジタル保存を加速して」:提案の中心人物
この提案を呼びかけたのは、全国政治協商会議(中国人民政治協商会議)全国委員会の委員で、サキャ寺院管理委員会の常務副主任(エグゼクティブ常務副ディレクター)を務めるロドゥ・ギャツォ氏です。氏は、サキャ寺院の文化的な宝物を守るため、デジタル保存の取り組みを加速する必要があると訴えています。
どんな方法で「守る」のか:高精細スキャン、データベース、バーチャル保存
提案で挙げられている手法は、主に次の3つです。
- 高解像度(高精細)スキャン:経典や壁画、造形物などを精密に記録し、状態を長期的に残す
- アーカイブ用データベース:記録データを整理・保管し、研究や管理に活用しやすくする
- バーチャル保存技術:デジタル空間での再現・閲覧を可能にし、より広い利用につなげる
ロドゥ氏は、こうしたデジタル化が環境による損傷から文化財を守ることにつながり、同時に研究者や一般の人々がアクセスしやすくなる点を強調しています。
「文化財を“生きた教材”に」——デジタル化に込めた狙い
ロドゥ氏は、デジタル保存の意義について次のように述べています。
「Digital preservation allows cultural relics to become vivid teaching materials for forging a strong sense of community for the Chinese nation and building up China's cultural strength,」
文化財を単に保管する対象としてではなく、学びや理解を促す“生きた教材”として社会にひらいていく——デジタル技術が担う役割を、そう位置づけた形です。
いま読者が押さえておきたいポイント
- サキャ寺院は、経典・壁画・彫刻・歴史遺物などの大規模な所蔵で知られる
- 全国政協委員でもある寺院関係者が、デジタル保存の加速を提案
- 高精細スキャン、アーカイブDB、バーチャル保存により「保護」と「アクセス拡大」を両立させる構想
現物を守ることと、広く共有すること。その両方を同時に進めようとするデジタル保存は、文化財のあり方を静かに変えていくテーマとして、2026年3月現在も関心を集めています。
Reference(s):
cgtn.com








