中国本土・厦門で受け継がれる「龍虎灯」 三代が守る古い灯り
2026年3月現在、中国本土・福建省厦門で「龍虎灯(longhu deng)」と呼ばれる古い灯籠づくりが、三代にわたる家族の手で静かに受け継がれています。約50年にわたり制作を続けてきたZhuang Wenjiaさん一家の取り組みは、省級の無形文化遺産としても位置づけられています。
「龍」と「虎」を同時に描く、立体のキャンバス
龍虎灯の面白さは、ただ絵を描くのではなく、丸みのある灯籠そのものを“立体の画面”として完成させる点にあります。灯りが入ることで、龍のうねりや虎の緊張感が、陰影とともに浮かび上がります。
制作は竹から始まる——完成までの流れ
一つの灯籠は、骨組みから絵付けまで、段階ごとの精度が問われます。
- 竹ひごを編んで骨組みを作る:形が崩れないよう、均一に組み上げます。
- 綿紙を貼る:竹のフレームの上に、丁寧に紙を重ねていきます。
- 曲面に直接絵付け:平面ではなく曲面のため、筆運びの迷いが出やすい工程です。
とくに絵付けは、曲面に対して一続きの動きで描き切る集中力が要るとされます。直径70〜80センチほどの灯籠を2つ(1対)仕上げるのに、熟練の職人でも丸3日かかるということです。
五色に込める意味——厄除けと招福の灯り
龍虎灯は伝統的に、赤・黄・緑・白・黒の五色で彩られ、邪を払い、福を招くと信じられてきました。龍は力強く、動きが感じられるように描かれ、虎は今にも飛びかかりそうな迫力で表現されます。
「技術」だけではなく「時間」を継ぐということ
三代にわたって一つの技を守る、という話は美しく聞こえますが、実際には毎日の手仕事と、同じ工程を積み重ねる時間の継承でもあります。竹を編み、紙を貼り、曲面に迷いなく筆を走らせる——その一つひとつが、灯籠の明るさと同じくらい、目に見えにくい粘り強さで支えられているのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








