中国副首相、パリ核エネルギーサミットで国際協力を呼びかけ
2026年3月10日、フランス・パリで開かれた第2回「核エネルギーサミット」で、中国副首相の張国清(ジャン・グオチン)氏が、原子力分野の国際協力を強化し、各国の発展と繁栄に原子力をよりよく生かす考えを示しました。エネルギー安全保障と脱炭素を同時に追う議論が続く中、「安全」と「産業協力」をどう両立するかが改めて焦点になっています。
何があった?――パリで第2回「核エネルギーサミット」
張氏は、中国の習近平国家主席の特別代表としてサミットに出席しました。会合には、30を超える国・地域の国家元首や政府首脳、上級代表、関連する国際機関のトップが参加し、共同声明「Safe and affordable nuclear energy for all(すべての人に安全で手頃な原子力を)」を発出したとされています。
張国清氏の発言ポイント――「安全」「イノベーション」「協働」を一体で
張氏は、中国が原子力の発展に向けて、習近平国家主席が提起した「理性的で、協調的で、バランスの取れた核セキュリティ戦略」を堅持し、世界の原子力発展に具体的な貢献をしてきたと述べました。
そのうえで、各国・各方面と連携し、次の方向性を進めたい考えを示しています。
- 核エネルギーのイノベーション主導の発展
- 安全の基盤づくり(安全確保を土台にする考え方)
- 産業協力(サプライチェーンや人材・技術面の連携を含む)
- ウィンウィン協力(相互利益の追求)
また、グローバル発展イニシアティブ、グローバル安全保障イニシアティブ、グローバル文明イニシアティブ、グローバル・ガバナンス(統治)イニシアティブの実行に向けても、原子力分野で協力していく姿勢を示したとされています。
共同声明が示す「いまの論点」――安全性とコスト、そして社会的受容
共同声明のタイトルが「安全」と「手頃さ」を同時に掲げた点は象徴的です。原子力をめぐる議論では、発電時のCO2排出の少なさが注目される一方で、各国の政策判断は、次の要素が絡み合って進みます。
- 安全規制:基準の厳格さと運用の透明性
- コスト:建設・運用・保守、燃料供給の見通し
- 技術:新型炉や運転の高度化など、技術革新のスピード
- 国際協力:標準化、人材育成、緊急時対応の連携
張氏は「クリーンで、美しく、持続可能な世界」と「人類運命共同体(community with a shared future for humanity)」に向け、新たな貢献をしたいとも述べたとされています。言葉は大きい一方、実際の前進は、安全の積み上げや、具体的な共同プロジェクトの設計といった“地味な実務”に左右されます。
今後の見どころ――協力の範囲はどこまで広がるか
今回のサミットは、原子力をめぐる国際的な対話が「賛否の応酬」だけでなく、安全確保と現実的な運用を軸に、協力の形を探る場でもあったと言えます。今後は、共同声明を受けて、各国・国際機関がどの分野(安全、技術、人材、産業連携)で具体的な取り組みを進めるのかが注目点になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








