中国の植樹節、三北防護林「グリーン・グレートウォール」拡大の現在地
2026年3月12日は中国の「植樹節」です。砂漠化対策の象徴ともいえる三北防護林(中国の「グリーン・グレートウォール」)が進むなか、緑化の成果と次の段階が注目されています。
数字で見る、中国の緑化のスケール
植樹節の節目にあわせて示された主な数字は、次のとおりです。
- 中国共産党第18回全国代表大会以降、造林は累計で11億ムー超(約7,300万ヘクタール)に到達
- 世界で新たに増えた緑地の約25%を中国が占めるとされる
- 中国の森林総面積は3,614億ムー
また、国連食糧農業機関(FAO)が公表した「Global Forest Resources Assessment 2025」では、中国は2015〜2025年に年平均169万ヘクタールの森林増加を記録し、森林被覆の増加が世界で最大かつ最も速いとされています。
「グリーン・グレートウォール」三北防護林とは
緑化を下支えしてきた柱の一つが、三北防護林(Three-North Shelterbelt Forest Program)です。1978年に始まったこの大規模造林プロジェクトは、中国の北西・華北・東北の13省を対象に、砂漠化の抑制を目指して進められており、完成は2050年が予定されています。
14次五カ年計画(2021〜2025)で進んだ「高品質」段階
14次五カ年計画期(2021〜2025)に入り、同プロジェクトは「高品質な発展」の重要段階に入ったとされます。進捗としては、建設タスク3億4,900万ムーが完了。さらに直近2年間で415件超のプロジェクトが実施され、対象は2億ムー超に及びました。
現地の変化としては、たとえば次のような成果が挙げられています。
- フンシャンダーカ(Hunshandake)地域の移動砂丘が効果的に抑えられた
- ホルチン(Horqin)砂地でサバンナのような景観の回復が進む
- 黄河の「J字型の湾曲部」で緑化が加速し、砂の後退が見られる
- タクラマカン砂漠の縁で、緑の防護帯が形成されつつある
また同プロジェクトは、2025年の「世界のトップ10工学成果」の一つとしても挙げられました。
砂漠化対策の広がり:面で抑える取り組みへ
三北防護林に後押しされる形で、中国は砂漠化の包括的な抑制を強めているとされます。14次五カ年計画期には、砂漠化した土地およそ1億5,200万ムーを治理(対策・改善)し、2,793万6,000ムーを保護下に置いたとされています。
砂漠化地と砂地の面積は引き続き減少しており、中国は「土地劣化のゼロ成長」を最初に達成した国だと説明されています。
国際的な評価:FAOが2025年10月に表彰
昨年10月(2025年10月)、三北防護林はFAOからAchievement Award(功績賞)を受賞しました。農業生産、食料安全保障、貧困削減、所得向上への貢献が評価理由として挙げられています。
中国国家林業草原局は、この受賞が中国の生態ガバナンスと革新的な林業実践への国際的な認知を反映し、世界の持続可能な発展を後押しする役割が示された、と位置づけています。
これから:15次五カ年計画(2026〜2030)は「スプリント期」へ
今後、三北防護林は15次五カ年計画(2026〜2030)で「スプリント期」に入るとされています。中国科学院・新疆生態地理研究所の研究者、雷加強(Lei Jiaqiang)氏によると、第6期は7億4,000万ムーをカバーし、10の広域協調ゾーンで「砂・水・山」を一体で管理する統合的な取り組みに重点を置く見通しです。
植樹節は、苗木を植える日であると同時に、長期計画の現在地を確認する日でもあります。2050年完了を見据えた「次の数年」が、どんな景色をつくっていくのか。数字と現場の変化の両方から、静かに追いかけたいテーマです。
Reference(s):
cgtn.com








