中国本土初、民間出資の原発が送電網接続 浙江・三澳1号機
中国本土で初めて、民間資本が少数出資する原子力発電プロジェクトが送電網(電力系統)に接続しました。資金の出し手が多様化するなかで、原子力の「建設→運転」に向けた現場の進み方にも注目が集まります。
何が起きた?浙江省の「三澳」1号機が系統連系
中国広核集団(CGN)による浙江省の「浙江三澳」プロジェクトは、今週木曜日に1号機が送電網へ接続(系統連系)しました。今回の案件は、中国本土で初めて、民間資本が少数株主として参画する原子力発電プロジェクトだとされています。
ポイント(今回わかったこと)
- 1号機が送電網に接続し、次の段階(試験運転)へ
- 第1期(1・2号機)に民間出資が入っている
- 第2期(追加2基)では民間比率がさらに引き上げられる
民間マネーはどこまで入る?第1期2%→第2期10%
CGN浙江三澳プロジェクトの第1期は、1号機・2号機で構成されます。ここに、吉利科技集団(Geely Technology Group)の投資部門が2%出資しています。
さらに第2期(別の2基を含む)では、民間資本の投資比率が10%に増加したとされ、原子力分野で民間投資を促す動きがうかがえます。あくまで「少数出資」での参加ですが、巨額になりがちな原子力の資金調達において、官・民の役割分担が少しずつ細かく設計され始めている印象です。
次は何が行われる?商業運転までの道のり
送電網への接続後、1号機は負荷をかけた試験運転(オンロード試験)に入り、出力の段階的な引き上げや各種の性能試験を行ったのち、正式な商業運転に移行するとされています。
- 系統連系(送電網へ接続)
- 負荷試験・出力上昇・性能テスト
- 商業運転(正式稼働)
原子炉は「華龍一号」:6基体制を計画、3基が建設済み・建設中
発電所は浙江省温州市の蒼南県に位置し、国内開発の第3世代炉である「華龍一号(Hualong One)」を計6基運用する設計です。すでに3基は建設済み、または建設中とされています。
CGN蒼南原子力発電有限公司の丁敬英・副総経理は、華龍一号について「2021年に登場して以降、中国本土各地で運転が進み、パキスタンでも2基が稼働している。今後も中国本土内外で運転開始が予定されている」と述べています。また丁氏は、「現在、華龍一号は建設中・運転中の基数で世界トップであり、中国本土の原発の一括建設で主要な選択肢になっている」とも説明しました。
数字で見る規模感:年間540億kWh、CO2は約5000万トン削減見込み
丁氏によると、6基すべての建設完了後、発電所の年間発電量は540億kWh超が見込まれ、温州市の現在の社会全体の電力消費量にほぼ相当するとしています。さらに、以下の効果が見込まれるとしています。
- 約500万人分の生産・生活用電力需要をカバー
- 標準炭の消費を年約1635万トン削減
- 二酸化炭素(CO2)排出を年約5000万トン削減
「民間出資×原子力」が投げかける問い
今回の系統連系は、発電所の運転開始に向けた技術的な節目であると同時に、原子力の資金の集め方が少しずつ変わっていることも示します。民間出資が入ることで、資金調達の選択肢が増える一方、長期運用を前提としたプロジェクトで、どのようにリスクや責任、意思決定の設計を行うのか――その運用の細部が、今後の注目点になりそうです。
Reference(s):
China's first private-invested nuclear power project connected to grid
cgtn.com








