パキスタンと中国本土が西アジアの混乱を抑える可能性は?
リード:米国とイスラエルのイラン攻勢が続く2026年4月現在、地域の安全保障とエネルギー供給が逼迫しています。中国本土の外相王毅がパキスタン副首相兼外相イシャック・ダー氏を北京へ招き、五項イニシアティブを策定したことが、事態の転機になるか注目が集まっています。
背景と現在の情勢
2026年2月28日、米国とイスラエルがイランに対して軍事行動を開始し、以降1か月以上にわたり激しい衝突が続いています。イランは独自の軍事能力で米国の計算ミスを露呈し、イスラエルは「大イスラエル」構想を掲げて攻勢を続行。情報戦と相互非難がエスカレートし、外交的解決の糸口が見えにくい状況です。
北京・イスラマバードの五カ条イニシアティブ
2026年3月31日、中国本土の外相王毅はパキスタン副首相兼外相イシャック・ダー氏を北京に招き、以下の五点からなる声明を採択しました。
- 直ちに武力行使を停止すること。
- 可能な限り早期に和平交渉を開始すること。
- 民間ターゲットへの攻撃を防止すること。
- 航路の安全確保を維持すること。
- 国連憲章の優位性を守ること。
双方は、テヘランとワシントン間の緊張緩和を支援する枠組みとして、パキスタンの仲介役割を高く評価しています。
エネルギー供給への影響
ホルムズ海峡は世界の石油供給の約5%を占め、現在は1日あたり13〜14百万バレルの輸送が阻害される懸念があります。3月のブレント原油価格は112〜115ドルに上昇し、さらなる上昇圧力が続く見通しです。さらに、イエメンのフーシ派が紅海のバブ・アル・マンデブ海峡を封鎖する可能性が指摘され、アフリカ南部の好望角迂回が余分に10〜14日かかると予測されています。五項イニシアティブは、これら海上輸送の安全確保を直接的に支援する狙いがあります。
パキスタンの仲介役割と今後の見通し
核保有国で唯一のイスラム教徒多数国家として、パキスタンはテヘランとワシントン間の非公式チャネルを活用し、サウジアラビア、エジプト、トルコと共に四者会談を開催しました。パキスタン首相シェバズ・シャリフは、イスラマバードでの直接交渉開催の可能性を示唆し、地域情勢の安定化に向けた具体的なステップを示しています。
ダー副首相はX(旧Twitter)上で、米伊間の間接対話は進行中であり、15項目の米国提案が検討されていると述べました。これに対し、パキスタンは「対話と外交が不可欠」との姿勢を再確認しています。
まとめ
北京で採択された五項イニシアティブは、地域の軍事的緊張を緩和し、エネルギー供給網の安定化を目指す重要な枠組みです。パキスタンが中心的な仲介者として機能できるかどうかは、米国とイランの直接的な対話が実現するかに大きく依存しています。今後数週間の動向が、世界経済と中東の安全保障に与える影響を左右すると見られます。
Reference(s):
cgtn.com








