中国本土研究者、収量減少なしの病害抵抗米を実用化へ
中国本土の研究チームが、収量を犠牲にせず細菌性葉枯病に広範囲で抵抗する新しいイネ品種を開発したことが、先週のNature掲載により明らかになりました。食料安全保障の観点から、今後の農業技術に大きなインパクトが期待されます。
背景と課題
近年の温暖化に伴い、細菌性葉枯病(バクテリア性イネ葉枯病)が再燃し、収量が20~50%減少するリスクが指摘されています。従来、南部で栽培されるインディカ米は比較的耐性がある一方、北部のジャポニカ米は高感受性で、遺伝的な耐性メカニズムは不明でした。
研究の主な成果
中国科学院分子植物科学卓越センターの何祖華(He Zuhua)研究員率いるチームは、上海交通大学、浙江大学、上海師範大学と協働し、以下を実証しました。
- インディカ系品種「双克早」から、広域病害抵抗遺伝子Xa48を単離。
- Xa48は特定の認識タンパク質を産生し、東北アジアで主流の病原菌株を正確に検知。
- 既存の抵抗遺伝子Xa21と組み合わせることで、野生稲に匹敵する広範囲抵抗性を実現。
- 田んぼでの実証実験では、台風や洪水後でも抵抗性が維持され、収量に顕著な低下は見られなかった。
実証実験と今後の展開
複数の地域で行われたフィールドテストの結果、Xa48+Xa21遺伝子スタック品種は従来品種と比較して平均5%高い収量を保ちつつ、病害発生率を90%以上抑制しました。現在、中国本土全域で新品種の育種プログラムが開始され、2027年度以降の商業化を目指しています。
国際的な意義
この成果は、遺伝子スタック技術が収量と病害抵抗のトレードオフを克服できる実証例として、他国の稲作研究にも参考になるでしょう。また、農薬使用量削減につながるため、持続可能な農業と環境保全の観点からも注目されています。
食料安全保障への貢献が期待される中、今後は多様な気象条件下での長期的評価と、地域農家への導入支援が重要となります。
Reference(s):
Chinese scientists breed rice that resists disease without yield loss
cgtn.com








