中国本土、デジタルヒューマン規制の草案を公表 未成年への影響を防止へ
中国本土サイバー空間管理局(CAC)が、AIが人間のように振る舞う「デジタルヒューマン」の利用に関する新たな草案を4月3日に公開しました。ラベル表示の義務化や、子どもへの依存や有害な影響を防止する措置が盛り込まれ、デジタル社会の安全基盤を整える狙いがあります。
背景と目的
AI技術が会話や表情、動作まで人間らしく再現できるようになり、エンターテインメントやライブ配信、カスタマーサービス、教育、インフルエンサー活動などさまざまな分野で「デジタルヒューマン」が使われ始めています。中国本土では、こうした技術が未成年に対して過度の依存を招く可能性や、個人情報の不適切な取扱いへの懸念が高まっており、公共の利益を守るための枠組みが求められました。
規制対象
草案は、以下のようなサービスを対象としています。
- AIやディジタルモデリング、グラフィック技術を用いて人間に似たバーチャル人物を公開するすべてのプラットフォーム(例:ライブ配信、バーチャルアイドル、AIチャットボット)
- 教育用や商用の顧客対応に利用されるデジタルヒューマン
- エンタメコンテンツやインフルエンサー活動で人間らしさを演出するAIキャラクター
主な要件
草案で示された主要な規制項目は次のとおりです。
- **ラベル表示義務**:デジタルヒューマンであることを明示するラベルを必ず付与し、利用者が人工的な存在であると認識できるようにする。
- **未成年保護**:未成年が過度に依存したり、感情的な影響を受けやすいコンテンツは提供を禁止。また、個人情報の収集・利用については厳格な制限を設ける。
- **データ管理**:利用者データは《サイバーセキュリティ法》や《データ安全法》に基づき、適切に保存・保護し、第三者への不正提供を防止。
- **透明性と監査**:サービス提供者はアルゴリズムの主要機能や学習データの概要を公開し、定期的な監査を受ける義務を負う。
- **罰則**:ラベル未表示や未成年保護違反が確認された場合、罰金やサービス停止などの行政処分が科される。
国内外への示唆
今回の草案は、中国本土がAIの社会的インパクトを先んじて制度化しようとする姿勢を示すものです。欧米でもAI倫理や未成年への影響に関する議論が活発化しており、同様の規制が今後広がる可能性があります。日本のデジタル政策担当者は、透明性確保や未成年保護の観点から、国際的なベストプラクティスと比較しつつ、自国のガイドライン策定を検討する機会と捉えることができるでしょう。
なお、草案はまだ公開討論段階にあり、最終的な施行は2026年後半以降になる見通しです。関係業界は今後のコメント募集や法令化プロセスを注視しています。
Reference(s):
China drafts new rules for AI 'humans' and children's addictive tech
cgtn.com








