中国本土の研究者、常圧で動作する新ニッケル系高温超伝導体を実現 video poster
2026年4月10日付のNatureに掲載された研究で、中国本土の科学者チームが常圧下で動作する新しいニッケル系高温超伝導体を2種類開発したことが報告されました。
研究の背景と意義
ニッケル系超伝導体は、銅系・鉄系に続く第3の高温超伝導材料群として注目されています。従来は、超伝導を実現するために必要な高酸化状態が安定的に結晶成長できないという課題があり、常圧での実用化は遠いとされてきました。
新たな合成手法と主な成果
南方科学技術大学(Southern University of Science and Technology)の薛啓坤(Xue Qikun)教授率いる研究チームは、強酸化原子層エピタキシー(strong oxidation atomic‑layer epitaxy)という手法を開発。原子レベルで酸化条件を精密に制御し、ニッケル酸化物薄膜を層状に構築しました。
- 既知の二層ニッケル系材料の臨界温度(Tc)を45 Kから63 Kに向上。
- 人工的に設計した原子積層構造のうち、2つのサンプルが常圧でそれぞれ50 K、46 Kで超伝導を示す。
これらは、常圧下で60 K近くの臨界温度を実現した初めてのニッケル系超伝導体として国際的に大きな関心を集めています。
今後の展望
今回の成果は、エネルギー損失をゼロにできる電力輸送や高感度センサー、量子コンピューティングといった応用分野への道筋を拓く可能性があります。研究チームは、さらに高いTcを目指し、原子層デザインの自由度を拡大する計画です。
Reference(s):
cgtn.com








