中国国際輸入博覧会CIIEが示すグローバル化と保護主義のいま
グローバル化への逆風と保護主義の台頭が続く中、第7回中国国際輸入博覧会(CIIE)は、中国の開放戦略と世界経済の行方を読み解く上で重要な指標となっています。
第7回CIIE開幕、李強中国国務院総理が「開放」を強調
第7回中国国際輸入博覧会(CIIE)の開幕式では、中国の李強国務院総理が基調演説を行い、中国の「ハイレベルな対外開放」を維持・拡大・高度化していく必要性を強調しました。李総理は、一方的な措置や保護主義、グローバル化への反発が強まる中でこそ、開放こそが平和と安定、そして持続的な発展と繁栄を実現する「唯一の効果的な道」だと位置づけました。
中国国際輸入博覧会は「輸入」に焦点を当てた大型の国際イベントであり、中国市場を海外にさらに開く象徴的な取り組みとされています。
6回の実績:173カ国・地域、累計4,240億ドル超の取引
中国国際輸入博覧会は、これまでの6回の開催を通じて、173の国と地域から企業が参加し、累計取引額は4,240億ドルを超えています。毎年2,400を超える製品や技術、サービスが初披露されてきました。
その規模と成長性から、多くの企業経営者はCIIEへの参加自体を「非常に有益」だと捉え、中国を代表する大きな消費市場に向けて最新のイノベーションを発信する機会とみなしています。
米企業を含む世界の企業が集まる理由
中国国際輸入博覧会は、中国市場に新たに参入したい企業や、すでに進出している企業がプレゼンスを広げるための「入り口」として評価されています。前年の博覧会では、フォードやテスラなどを含む200社以上の米国企業から、過去最大規模の代表団が参加しました。
この動きは、一部の国で一方的な通商措置や保護主義的な政策が議論される中でも、多くの企業が自社の成長戦略を中国市場の発展と結びつけていることを示していると見ることもできます。
記録更新の参加規模と2024投資促進会議
第7回となった今回の中国国際輸入博覧会には、152の国・地域・国際機関から企業や団体が参加し、出展企業数は新たな記録を打ち立てました。フォーチュン・グローバル500企業や業界を代表する大手企業も297社が名を連ね、中国が国際的なビジネス開発の拠点として存在感を強めている姿が浮かび上がります。
この第7回CIIEを支えるイベントとして、「2024投資促進会議」もすでに開催されています。アルゼンチン、メキシコ、チェコなどの総領事館関係者や各国の投資促進機関の代表が参加し、中国への投資やビジネス機会に対する関心と、中国の開放性への信頼があらためて示されたとされています。
展示会がもたらすイノベーションと文化交流
中国の対外開放は、関税や規制の引き下げといった貿易面にとどまりません。中国国際輸入博覧会のような大型イベントを通じて、新しいアイデアや技術、文化が国境を越えて行き交う「出会いの場」をつくることにも力を入れています。
CIIEの中核となる「企業ビジネス展示」には、イノベーションや先端技術を紹介する分野に加え、中小企業向けの「イノベーション・インキュベーション特別エリア」など、6つの主要エリアが設けられています。先進国と新興国の企業が同じ舞台で製品やサービスを紹介できる「公平な競争の場」を提供することで、イノベーションの種を育てる役割も期待されています。
こうした場で生まれる技術協力や文化交流は、国や地域の距離感を縮め、長期的には世界の安定と発展に寄与しうると見る向きもあります。
地域紛争が続く中で浮かぶ「協力」のメッセージ
中国国際輸入博覧会が開催された時期、特に中東地域での緊張の高まりなど、世界各地で地域紛争が深刻化し、国際安全保障と経済成長にとって大きなリスクとなっていました。そうした複雑な地政学的環境の中で、多国間の協力や対話の重要性は一段と高まっています。
そのような状況下で実施されたCIIEは、「協力」「平和」「共存」というメッセージを発信する場としての性格を強めました。各国・各地域の企業や公的機関が一堂に会し、中国市場でのビジネス機会を探るプロセス自体が、相互理解や信頼の構築にもつながります。
2025年のいまも、グローバル化に対する懐疑や保護主義的な動きは世界各地で続いています。こうした潮流の中で、中国国際輸入博覧会のように「開放」を掲げる場がどのような役割を果たしうるのか、日本からも冷静に注視していく必要がありそうです。
Reference(s):
CIIE: A symbol of globalization and an antithesis of protectionism
cgtn.com








