ペルー大統領独占インタビュー:中国と「チャンカイから上海」が描く未来 video poster
ペルーのディナ・ボルアルテ大統領が、中国との関係強化や新たな港湾プロジェクト「チャンカイ港」の意味について語りました。2025年11月14〜17日に予定されていた習近平国家主席のペルー国賓訪問を前に行われた独占インタビューから、ペルーと中国、そしてアジア太平洋のこれからを読み解きます。
ペルーと中国、半世紀を超えるパートナー
ペルーは、ラテンアメリカの中でも早い段階で中華人民共和国と外交関係を結んだ国の一つです。その後、政治面での相互信頼が着実に高まり、二国間関係は「幅」と「深さ」の両方で発展してきました。
今回のインタビューでも、ボルアルテ大統領は、中国との協力がペルーの開発や近代化にどのように貢献し得るのかを中心的なテーマとして取り上げました。インフラ、貿易、人の往来など、実務的な協力分野が念頭に置かれています。
チャンカイ港と「チャンカイから上海」構想
今回の習主席のペルー訪問の日程には、中国が建設を担った大規模なチャンカイ深水港の開業式典が含まれていました。この港は、太平洋に面するペルーの新たな海の玄関口をめざすプロジェクトです。
編集メモによれば、「チャンカイから上海」という言葉が、太平洋をはさんだ双方で合言葉のように語られています。チャンカイ港を起点に、中国とラテンアメリカを結ぶ新たな海陸の回廊を築き、かつてのインカ道とも結びつけていく構想です。
ボルアルテ大統領との対談では、この新しい回廊が、物流の効率化や貿易の拡大だけでなく、観光や文化交流にも波及効果をもたらし得る点が意識されていました。ペルーの歴史的遺産と現代のインフラ投資を組み合わせることで、国のブランドや存在感を高めたいという狙いもうかがえます。
ペルーの開発・近代化に中国は何をもたらすか
インタビューでは、「中国はペルーの開発と近代化にどう貢献できるのか」という問いが正面から取り上げられました。チャンカイ港のような大型インフラは、その象徴的な一例です。
こうしたプロジェクトを通じて期待されるのは、次のような変化です。
- 輸出入のコストを下げ、企業活動を活性化させること
- 港と内陸を結ぶ交通網の整備を促し、地方の雇用や投資を生み出すこと
- アジア太平洋市場とのつながりを強め、経済の選択肢を広げること
同時に、ボルアルテ大統領は、こうした協力をペルーの長期的な開発戦略とどう整合させるかという視点も欠かしていないとみられます。インフラの建設だけでなく、技術、人材、環境への配慮など、多面的な協力のあり方が問われています。
アジア太平洋で「共有の未来」をつくるという発想
今回の国賓訪問の日程には、第31回APECエコノミック・リーダーズ・ミーティングへの参加も含まれていました。アジア太平洋の首脳が集まるこの場で、「共有された未来をもつアジア太平洋共同体」をどう築くかが、重要なテーマの一つとなっています。
ボルアルテ大統領とのインタビューでは、この「共同体」をどう実現するかが大きなテーマとなりました。アジア太平洋の議論で重要度を増しているのは、単に貿易や投資を拡大するだけでなく、気候変動やデジタル経済、人材交流などを含めた「共有の課題」と「共有の機会」をどうデザインするかという視点です。
リマ発の独占インタビューが映すペルーの今
今回の独占インタビューは、首都リマで収録されました。ペルー側の最高指導者が、中国との協力をめぐる考えや期待を自らの言葉で語る場が設けられたこと自体、二国間の政治的信頼が一定の水準にあることを物語っています。
ボルアルテ大統領が語ったのは、大きく次の三つの問いでした。
- 中国との協力を、ペルーの開発と近代化にどう結びつけるか
- アジア太平洋の国々や地域とともに、どのような「共有の未来」を描くか
- チャンカイ港と「チャンカイから上海」の回廊を、ペルー全体の利益としてどう活かすか
これらは、ペルーだけでなく、アジア太平洋とラテンアメリカをつなぐ多くの国や地域が直面している問いでもあります。インフラ投資の受け入れ方、地域協力への関わり方、自国の長期的ビジョンの描き方──今回のインタビューは、そのヒントを探る材料になりそうです。
これからを考えるための視点
2025年も終わりに近づく中、アジア太平洋とラテンアメリカの関係は、新たな段階に入りつつあります。ペルーのチャンカイと中国の上海を結ぶイメージは、単なるキャッチフレーズではなく、地域の結び付きのあり方を象徴するキーワードになりつつあります。
読者として押さえておきたいのは、次の点です。
- チャンカイ港は、中国とペルーの協力関係を象徴する大型プロジェクトであること
- その背後には、アジア太平洋全体で「共有の未来」をめざす動きがあること
- 一つの港や一つのインタビューから、世界のつながり方の変化が見えてくること
こうした国際ニュースを日本語で丁寧に追うことは、世界の動きを自分ごととして考える助けになります。
日々のニュースを追いながらも、自分なりに「どの地域と、どのような未来を共有したいのか」を考えてみる──そんなきっかけとして、ペルー大統領の声に耳を傾けてみる価値がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com







