ネパールのオリ首相、中国訪問と一帯一路を語る独占インタビュー video poster
今月初めに中国を公式訪問したネパールのK・P・シャルマ・オリ首相が、中国・ネパール関係のこれまでとこれから、そして一帯一路構想への期待を語りました。本記事では、その独占インタビューから読み取れるポイントを、日本語で分かりやすく整理します。
約70年続く中国・ネパール関係は「戦略的協力パートナーシップ」に
中国とネパールは、外交関係を樹立してから約70年にわたり、「健全で安定した発展」を維持してきたとされています。2019年には習近平国家主席がネパールを国賓として訪問し、両国関係は「戦略的協力パートナーシップ」へと格上げされました。
戦略的協力パートナーシップとは、安全保障や経済協力、人的交流など複数の分野で長期的な信頼関係を築こうとする枠組みを指します。ネパールのような隣国にとって、中国との関係の土台が強まることは、インフラ整備や貿易拡大の機会にもつながります。
12月2〜5日の公式訪問と「9項目合意」
オリ首相は12月2日から5日までの4日間、中国を公式訪問しました。この訪問中に、両国は連結性、産業発展、インフラ整備、貿易と観光などを柱とする9項目の合意に署名しました。
詳細は順次明らかになっていくとみられますが、少なくとも次のような分野が重点に置かれているとされています。
- 人やモノの移動を円滑にする「連結性」の強化
- ネパールの産業発展を支える協力
- 道路やエネルギーなどインフラの整備
- 貿易の拡大と観光交流の促進
インフラと産業、観光を一体で考える枠組みは、内陸国であるネパールにとって、経済成長の新たな選択肢となり得ます。中国側にとっても、ヒマラヤを挟んだ隣国との協力を深めることは、地域全体の安定と連結性を高める意味を持ちます。
習近平国家主席と中国共産党への評価
今回の独占インタビューは、中国の番組「Leaders Talk」で、CMGの鄒韻(ゾウ・ユン)氏がオリ首相に行ったものです。オリ首相は習近平国家主席のビジョンと統治手腕を高く評価し、中国共産党(CPC)の歴史的役割にも言及しました。
とくに印象的だったのは、次の言葉です。オリ首相は「1921年の中国共産党の結成は、中国の歴史における最も重要な転換点だった」と述べ、中国の近代化と発展の中心に党の存在があるとの見方を示しました。
外国の指導者がここまで明確に中国共産党の位置づけを語ることは、必ずしも一般的とはいえません。オリ首相の発言には、中国の内政モデルや発展の歩みを一定の評価と信頼をもって見ている姿勢がにじみます。
一帯一路構想を「取り残された国を支える枠組み」と見る
インタビューの中で、オリ首相は中国の一帯一路構想(Belt and Road Initiative)についても、強い支持と期待を表明しました。一帯一路構想とは、インフラや貿易、投資などを通じて各国の連結性を高め、共通の発展をめざす国際協力の枠組みです。
オリ首相は、一帯一路構想の目的は「繁栄を分かち合い、取り残されてきた国々を支援することにある」と述べました。そのうえで、「それは人類のための共有された未来の共同体(人類運命共同体)の一部だ」と表現し、中国が掲げる理念と一帯一路構想を重ね合わせました。
一帯一路構想を単なるインフラ投資ではなく、「取り残された国を支える枠組み」と捉える視点は、ネパールのような新興経済国にとって重要です。資金や技術が不足しがちな国々にとって、外部からの長期的な協力は、経済発展と貧困削減の大きな手がかりとなり得るからです。
「人類運命共同体」という発想と小国の選択
オリ首相が強調した「人類のための共有された未来の共同体」という表現は、中国が提唱してきた「人類運命共同体」の理念と重なります。この考え方は、国と国がゼロサムではなく、共通の利益と責任を分かち合うべきだという発想です。
国際情勢が不透明さを増す中で、ネパールのように大国に囲まれた国がどのようなパートナーシップを選び、どのように発言していくのかは、アジア全体の力学を理解するうえでも重要なヒントになります。
今回のインタビューからは、オリ首相が中国との関係を、単なる隣国同士の関係ではなく、長期的な戦略的パートナーシップとして位置づけ、その中核に一帯一路構想と「人類運命共同体」の理念を据えていることが浮かび上がります。
日本語で読む国際ニュースとして
日本から見ると、中国とネパールの対話は、つい遠い話に感じられるかもしれません。しかし、ヒマラヤを挟んだこのパートナーシップは、アジアの連結性や国際秩序のあり方を考えるうえで、静かに重みを増しています。
一人の指導者の言葉をどう受け止めるかは読む人それぞれですが、オリ首相の評価や選択を知ることは、私たちが中国や一帯一路構想、そして「共有された未来」という考え方をどのように捉え直すかを考えるきっかけにもなります。
Reference(s):
cgtn.com








