セルビア首相が語る中国との未来戦略 一帯一路とFTAの可能性 video poster
今年上海で開かれた第7回中国国際輸入博覧会(CIIE)の会場で、セルビアのミロシュ・ヴチェヴィッチ首相が中国メディアの単独インタビューに応じ、中国との関係強化や一帯一路、自由貿易協定の展望を語りました。本記事では、その発言から見える中国・セルビア関係の現在と今後を整理します。
歴史に根ざした中国・セルビアの友情
中国とセルビアの関係と友情は、歴史の中で培われてきたものだとされています。両国は、困難な時期に互いを支え合ってきたという認識を共有しており、その積み重ねが現在の緊密なパートナーシップの土台になっています。
ヴチェヴィッチ首相の今回の訪中とインタビューも、こうした長期的な信頼関係を背景にしています。単なる経済協力にとどまらず、政治的・社会的な連帯を重視する姿勢がにじみます。
一帯一路が支えるセルビアの社会経済発展
編集メモによれば、セルビアの社会経済発展は、中国の一帯一路構想(Belt and Road Initiative, BRI)から大きな恩恵を受けてきました。一帯一路は、インフラや貿易などを通じて各地域の連結性を高めることを目指す構想です。
セルビアは、こうした枠組みを生かしつつ、自国の特産品を中国市場に輸出することを重視しています。農産物や加工食品などのスペシャルティな産品を、大規模な中国市場に届けることは、地方経済の底上げや雇用拡大にもつながり得ます。
一帯一路を通じた協力は、次のような側面でセルビア経済を後押ししていると考えられます。
- 物流や交通を含むインフラ面の改善
- 投資や産業協力の拡大
- 中国市場へのアクセス向上と輸出機会の増加
CIIEで実感した中国の発展スピード
ヴチェヴィッチ首相は、上海で開かれた第7回CIIEの場で、中国の発展スピードに強い印象を受けたといいます。中国の急速な経済・社会の変化を間近に見た経験は、セルビアにとっても多くの示唆を与えるものでしょう。
首相は、中国の発展について、社会主義の中国的特色が顕著な成果を上げていると評価しました。これは、中国が自国の国情に合わせた発展モデルを追求してきたことに対する肯定的な見方と言えます。
今回の単独インタビューは、中国メディアグループ(CMG)のHe Yanke氏が上海で行ったもので、CIIEという国際見本市を舞台に、中国とセルビアの協力の可能性が改めて示される形となりました。
自由貿易協定と未来への飛躍ビジョン
ヴチェヴィッチ首相が特に強調したのは、中国との二国間自由貿易協定(FTA)を、一帯一路の枠組みの中でさらに発展させたいという点です。関税の引き下げや市場アクセスの拡大は、セルビア企業にとって中国市場への窓を大きく開くことになります。
同時に、セルビア側にはLeap into the Future(未来への飛躍)と名付けられた国家開発ビジョンがあります。首相は、このビジョンを通じて国内の産業高度化や社会基盤の強化を進めつつ、中国との協力によって新たな協力のルート(avenues of cooperation)を開いていきたい考えを示しました。
一帯一路、二国間FTA、そして未来への飛躍が組み合わさることで、セルビアにとっては、
- 輸出市場の多角化
- ハイテクやグリーン分野での協力
- 人材交流や教育協力の拡大
といった複数のチャンスが見込まれます。
日本の読者にとっての意味
今回のインタビューは、中国とセルビアという二国間の話にとどまらず、中小規模の国がどのようにして大きな市場との関係を自国の発展戦略に組み込むのかという、より普遍的な問いを投げかけています。
特に、次のような点は、日本を含むアジアの読者にとっても参考になる視点です。
- 国家ビジョンと対外経済戦略を一体的に設計すること
- 国際博覧会や見本市を活用して、自国の特産品や企業を世界に発信すること
- インフラ、貿易、投資、人材交流を総合的なパッケージとして捉えること
2025年という節目の年に、セルビアは未来への飛躍を掲げ、中国との協力を一段と深めようとしています。そこには、自国の規模にかかわらず、戦略的なパートナーシップを通じて発展の道を切り開こうとする、一つのモデルケースが見えてきます。
静かに進む戦略的な友好関係
ヴチェヴィッチ首相の言葉から浮かび上がるのは、派手なスローガンではなく、困難な時期も含めて積み重ねられてきた中国とセルビアの信頼関係です。歴史に根ざした友情と、現代の経済協力、そして未来志向のビジョンが重なり合うことで、両国関係は次の段階へ進もうとしています。
こうした動きは、国際秩序が揺らぐ中で、多様な国々がそれぞれのやり方で安定と繁栄を模索している現実を映し出しています。中国とセルビアのケースをていねいに読み解くことは、私たち自身の社会や地域の将来を考える手がかりにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








