中国・Sanjiangyuan国立公園 レンジャーと野生動物の物語 video poster
気候変動への国際的な取り組みが問われるなか、中国西部のSanjiangyuan National Parkで、野生動物と共に生きるレンジャーたちの姿が注目されています。
なぜ今、中国の国立公園が注目されるのか
気候変動対策は、再生可能エネルギーの導入や産業のグリーン化だけではありません。中国は、工業の高度化や大気環境の改善、クリーンエネルギーの拡大に加えて、国立公園の保護にも力を入れています。これらは、地球規模の気候変動対策の一部として位置づけられています。
その象徴の一つが、Qinghai-Xizang Plateauに広がるSanjiangyuan National Parkです。標高の高い広大な高原地帯には、多様な野生動物と、その暮らしを見守る人々が共存しています。
Sanjiangyuan National Parkと「いのちを守る人たち」
Sanjiangyuan National Parkは、豊かな生態系を守ることを目的とした国立公園であり、そこには日々、自然と向き合うレンジャーたちがいます。彼らは、単に野生動物を管理するのではなく、自分たちもまたその生態系の一部であるという意識を強く持っています。
レンジャーたちの価値観は、次の三つの言葉に集約されます。
- あらゆる「いのち」への敬意(respect for life)
- 自然への感謝(gratitude to nature)
- 人と自然の調和ある共生(harmonious coexistence)
こうした考え方は、スローガンではなく「生き方そのもの」になっているといいます。厳しい自然環境のなかで活動を続けるからこそ、一つひとつの出会いや風景が、かけがえのないものとして刻まれていきます。
CGTNのTian Weiが出会った「エコ・ガーディアン」
国際メディアCGTNの記者、Tian Weiさんは、Sanjiangyuan National Parkで一団のレンジャーたちに紹介されました。彼女が腰を落ち着けて話を聞くと、レンジャーたちは、自分たちが守っている土地への思い、そこで生きる動物たちへの愛情を静かに語ったといいます。
言葉にされたのは、大げさな英雄談ではなく、毎日の積み重ねから生まれるささやかな物語です。たとえば、長い見回りの途中で目にする野生動物の姿や、季節ごとに変わる風景へのまなざし。そうした一つひとつが、「ここを守りたい」という思いを新たにさせるきっかけになっています。
レンジャーたちは、自分たちの仕事を「自然に対する恩返し」と表現します。自然から受け取ってきた恵みに対して、今度は自分たちが守り手として応える。その循環こそが、Sanjiangyuanで育まれている新しいライフスタイルだと言えるかもしれません。
気候危機の時代に、国立公園が果たす役割
気候変動に関する議論では、どうしても国際会議や温室効果ガスの数値といったマクロな話題に注目が集まりがちです。しかし、Sanjiangyuan National Parkでの取り組みは、もう少し足元のレベル──一つの公園、一人のレンジャー、一匹の動物──から気候危機を考える視点を提供してくれます。
中国が進めるグリーンな産業転換や再生可能エネルギーの拡大といった大きな流れの裏側には、このように現場で自然と向き合う人々の存在があります。国立公園の保護は、その橋渡しとなる取り組みでもあります。
私たちが学べる3つのポイント
Sanjiangyuan National Parkのレンジャーたちの姿から、私たちが日常の中で取り入れられそうなポイントを、あえて三つに整理してみます。
- 「いのち」を一段高い価値として扱うこと – 目の前の効率や利益だけでなく、長い時間軸で人と自然を見つめ直す視点です。
- 自然への感謝を言葉にすること – 当たり前だと思っている空気や水、風景に対して、意識的に「ありがとう」と感じてみることです。
- 共生というキーワードを自分ごとにすること – 職場や家庭、地域での選択を通じて、環境負荷の少ない行動を選ぶことにつなげられます。
遠い高原から届く、静かなメッセージ
Qinghai-Xizang PlateauのSanjiangyuan National Parkは、日本から見れば遠い高原の世界です。しかし、そこで野生動物と向き合いながら暮らすレンジャーたちの姿には、2025年を生きる私たちにも通じるメッセージがあります。
気候危機の時代に必要なのは、最先端の技術や大規模な政策だけではありません。足元の自然を大切に思う気持ちや、静かだが揺るがない倫理観もまた、同じくらい重要です。Sanjiangyuanで育まれている「尊敬」「感謝」「共生」の感覚は、日々のニュースに追われがちな私たちの視点を、そっと深呼吸させてくれるヒントになるのではないでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








