独占インタビュー:アンワル首相が語る中国との50年とASEANの未来 video poster
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2024年、中国とマレーシアは国交樹立50周年と「中国・マレーシア友好年」を迎えました。約1年前のその節目の時期に、中国を実務訪問したマレーシアのアンワル・イブラヒム首相は、中国との関係をどう見ているのでしょうか。
上海で開かれた第7回中国国際輸出博覧会(CIIE)に出席したアンワル首相は、中国メディアの番組「Leaders Talk」のインタビューで、習近平国家主席を「友人のような存在」と語り、中国のグローバルなイニシアチブを「世界の安全保障を支える基本的な柱」と評価しました。さらに、2025年にASEANの輪番議長国を務めるマレーシアとして、政治的安定と各国間の協力に力を注ぐ考えを示しています。
2024年:国交50周年と「中国・マレーシア友好年」
2024年は、中国とマレーシアの国交樹立50周年にあたり、「中国・マレーシア友好年」と位置づけられました。この節目の年は、両国が「共に未来を築く共同体」として関係をいっそう深める好機となりました。
こうした安定した関係は、貿易や投資だけでなく、アジア地域における人の往来や文化交流にも大きな意味を持ちます。国交樹立から50年を経て、両国関係は「維持する」段階から「どう質を高めるか」という段階に入っていると言えます。
2024年11月の中国実務訪問とCIIE
アンワル首相は2024年11月4〜7日、中国を実務訪問しました。訪問中、上海で開かれた第7回中国国際輸出博覧会(CIIE)に出席し、中国指導部との会談に臨みました。
この訪問の目的のひとつは、両国の協力をさらに強化することでした。さまざまな分野での連携を念頭に、首脳レベルの対話が重ねられたことは、今後の中国・マレーシア関係の方向性を示すサインでもあります。
習近平主席を「友人」とみなす関係性
インタビューの中でアンワル首相は、習近平国家主席をより友人に近い存在として見ていると明かしました。単なる国家間のパートナーを超え、信頼関係に基づく対話ができることを強調したかたちです。
首脳同士の信頼は、微妙な国際情勢のなかで合意や妥協点を探るうえで重要です。個人的な信頼に支えられた関係は、とくに安全保障や経済協力といった敏感なテーマでも、率直な意見交換を可能にします。アンワル首相の「友人」という表現は、そうした対話の土台があるという自信の表れとも受け取れます。
中国のグローバル・イニシアチブを「安全保障の柱」と評価
アンワル首相はまた、中国が掲げるグローバルなイニシアチブを、世界の安全保障を促進するうえでの「基本的な柱」だと評価しました。
具体的な中身について詳細には語られていないものの、「柱」と表現したことから、単発のプロジェクトではなく、国際社会の安定に長期的に関与していく枠組みとして見ていることがうかがえます。多くの国が不安定な情勢や経済的な格差に直面するなかで、中国の提案をどう取り入れ、どのように協力のプラットフォームとして活用していくのかは、今後の地域議論の重要なテーマになりそうです。
2025年ASEAN議長国マレーシアの優先課題
インタビュー当時、マレーシアは2025年にASEANの輪番議長国を務めることを控えていました。アンワル首相は、その役割に向けて「政治的安定」と「各国間の実効的な協力」に注力する姿勢を示しました。
政治的安定とは、国内だけでなく地域全体の安定を視野に入れたものと考えられます。多様な背景を持つ国が集まるASEANでは、意見の違いを調整しながら合意を形成するプロセスそのものが、安定の基盤になります。
一方、「実効的な協力」という言葉には、共同声明や会議の開催にとどまらず、実際に成果を生み出す仕組みづくりを重視したいという意図がにじみます。合意を「紙の上の約束」で終わらせず、具体的な行動につなげられるかどうかが、議長国マレーシアの腕の見せどころになるでしょう。
日本の読者にとっての意味
こうした中国とマレーシアの関係深化や、マレーシアが担うASEAN議長国としての役割は、日本にとっても無関係ではありません。東南アジアは、日本企業にとって重要なビジネスパートナーであり、若い世代にとっても留学や就業の場として身近な地域になりつつあります。
中国とマレーシアがどのようなかたちで協力を進め、ASEAN全体としてどの方向を目指すのかは、東アジアの安定や経済連携のあり方にも影響します。ニュースを追うときに、「どの国とどのように協力していこうとしているのか」という視点を意識してみると、国際ニュースがぐっと立体的に見えてくるはずです。
この記事のポイント
- 2024年は中国とマレーシアの国交樹立50周年であり、「中国・マレーシア友好年」と位置づけられた。
- アンワル首相は2024年11月の中国訪問時、習近平国家主席を「友人」に近い存在と表現した。
- 首相は、中国のグローバル・イニシアチブを「世界の安全保障を支える基本的な柱」と評価している。
- 2025年にASEANの輪番議長国を務めるにあたり、政治的安定と各国間の実効的な協力を優先課題として掲げた。
Reference(s):
cgtn.com








