王毅外相のアフリカ歴訪、2025年の対アフリカ協力は新たな高みへ video poster
中国の王毅国務委員兼外相がナミビア、コンゴ共和国、チャド、ナイジェリアを回る1週間のアフリカ歴訪に乗り出しています。貧困削減やインフラ不足、持続可能な成長といったアフリカの最重要課題に、中国とアフリカがどのような形で具体的な成果を生み出そうとしているのか。2025年の中国・アフリカ関係を考えるうえで見逃せない動きです。
「4カ国・1週間」アフリカツアーの狙い
今回の歴訪は、ナミビア、コンゴ共和国、チャド、ナイジェリアという4カ国を1週間で訪問する日程です。中国側は、アフリカの貧困削減やインフラ整備、持続可能な成長を支える協力を強化し、これまでの枠組みを一段と具体化しようとしています。
英語番組「The Hub」では、キャスターのWang Guan(ワン・グアン)氏が、今回の歴訪の意味や今後の展望について3人の専門家と議論しました。
- Wang Jinjie(ワン・ジンジエ)氏:北京大学の国家発展研究院および南南協力・発展研究院のリサーチ・アシスタント・プロフェッサーで、同大学アフリカ研究センター副事務総長
- Fortune Abang(フォーチュン・アバン)氏:ナイジェリア通信社(News Agency of Nigeria)の主任記者
- Erastus Mwencha(エラストス・ムエンチャ)氏:アフリカ連合委員会(AU委員会)の元副委員長
番組では、とくに「2025年の王毅外相のアフリカ歴訪が、中国・アフリカ協力をどのように新たな段階へ押し上げるのか」が焦点となりました。
貧困、インフラ、持続可能な成長――アフリカの優先課題
アフリカでは、貧困の緩和(貧困削減)、インフラ不足の解消、そして持続可能な成長の実現が、長年にわたって最重要課題として挙げられてきました。道路やエネルギー、通信などの基盤が整わなければ、ビジネスも雇用も広がりにくく、成長の果実が人びとに届きにくいからです。
中国は数十年にわたり、こうした課題に対して、解決策、イニシアチブ(構想)、パートナーシップという形で関与してきたとされています。今回の歴訪は、その流れを引き継ぎつつ、次のステージを切り開くものと位置づけられています。
FOCAC北京行動計画を具体的な成果へ
中国とアフリカの協力は、「中アフリカ協力フォーラム(FOCAC)」の北京行動計画をはじめとする枠組みに基づいて進められています。現在の大きなテーマは、この北京行動計画を足場に、アフリカの国々にもたらされる具体的な成果をどう積み上げていくかという点です。
番組でも、「FOCAC北京行動計画を現場レベルのプロジェクトにどう落とし込むか」が議論の中心となりました。王毅外相の歴訪は、アフリカ側のニーズを直接聞き取り、優先順位をすり合わせる場にもなっているとみられます。
専門家が指摘する3つのカギ分野
議論の中からは、中国・アフリカ協力を次の段階に押し上げるキーワードとして、次の3つの分野が浮かび上がりました。
- 教育とテクノロジーのシナジー(相乗効果)
- グリーン開発(環境と成長の両立)
- 接続性(コネクティビティ)と国際市場へのアクセス
教育とテクノロジーのシナジー
アフリカ連合委員会の元副委員長であるMwencha氏は、中国とアフリカの教育・テクノロジー分野でのシナジーが、今後さらに進展すると期待を示しました。教育による人材育成と、新しい技術の導入が組み合わさることで、アフリカの成長の可能性が広がるという視点です。
こうしたシナジーが強まれば、アフリカの若い世代が新しいスキルを身につけ、それを活かして起業やイノベーションに挑戦する土壌づくりにもつながります。
「グリーン開発は未来」
Mwencha氏が強調したもう一つのポイントが、「グリーン開発は未来だ」というメッセージです。環境に配慮しながら経済成長を追求するグリーン開発は、気候変動や資源制約と向き合うアフリカにとって、長期的な発展の方向性を示すキーワードになっています。
王毅外相の歴訪を通じて、グリーン開発の分野でどのような協力が具体化していくのかは、今後の重要な注目点といえます。
接続性と国際市場へのアクセス
北京大学のWang Jinjie氏は、中国からの「コネクティビティ(接続性)プロジェクト」への投資拡大に期待を寄せています。アフリカと世界の市場をつなぐ物流や通信などの「つながり」を強めることで、アフリカの国々が国際市場へアクセスしやすくなると見ているためです。
輸出入のコストを下げ、企業が海外と取引しやすくなることは、雇用や所得の拡大にも直結します。接続性への投資は、単なるインフラ整備ではなく、アフリカの経済が世界とどう結びつくかを左右する戦略分野と位置づけられます。
2025年、中国・アフリカ協力はどこへ向かうのか
今回のアフリカ歴訪は、単なる年初・年末の挨拶回りや儀礼的な訪問ではなく、中国とアフリカが「2025年を協力の新たな高み」に引き上げようとする意志を示すものになっています。
背景には、次のような流れがあります。
- 数十年にわたって積み重ねられてきた中国・アフリカ協力の歴史
- FOCAC北京行動計画という、長期的な協力の枠組み
- 教育・テクノロジー、グリーン開発、接続性といった新しい重点分野の台頭
2025年の王毅外相のアフリカ歴訪は、こうした要素を一つの動きとして結びつける役割を担っているといえます。今後、中国とアフリカがどの分野にどのような資源を優先的に投じていくのか、そしてアフリカの人びとのニーズや声がどれだけ反映されるのかが、注視すべきポイントです。
貧困削減、インフラ整備、持続可能な成長、グリーン開発、接続性――これらのキーワードを軸に、2025年の中国・アフリカ関係がどのように進化していくのか。今後の発表や現場のプロジェクトの動きが、ますます重要になっていきます。
Reference(s):
cgtn.com








