経済グローバル化のパイをどう広げるか ダボス会議で語られたAIと協調
経済グローバル化をどう前に進めれば、世界全体の「パイ」を大きくできるのか――。スイス・ダボスで開かれている世界経済フォーラム(WEF)では、各国の指導者が協調の新しいかたちを探りながら、この問いに向き合っています。中国の丁薛祥副総理は、保護主義や貿易戦争ではなく、開かれた協力こそが道だと強調しました。<\/p>
経済グローバル化はゼロサムではない<\/h2>
会議で丁薛祥副総理は「経済グローバル化は、分配をめぐる緊張や違いをもたらすが、そうした問題は経済グローバル化を推進するプロセスの中でしか解決できない。保護主義に行き先はなく、貿易戦争に勝者はいない」と述べました。<\/p>
世界貿易機関(WTO)の統計によると、1995年から2022年の間に、世界輸出に占める中所得国と低所得国の比率は16%から32%へと倍増しました。同じ期間に先進国も成長率が押し上げられており、グローバル化によって「損をした」わけではありません。丁副総理がダボスで指摘したように、経済グローバル化は「相手の負けが自分の勝ち」というゼロサムゲームではない、という見方が改めて示された形です。<\/p>
AI・量子技術・バイオ医薬が新たな成長エンジンに<\/h2>
では、そのグローバル化の「パイ」をさらに大きくするには何が必要なのでしょうか。丁副総理は、人工知能(AI)や量子技術、バイオ医薬といった最先端技術を、新たな世界経済の成長エンジンに育てるべきだと呼びかけました。<\/p>
世界経済フォーラムの統計では、企業の経営層の83%がAIを自社にとって戦略的な優先事項と見なしています。歴史的にも、イノベーションと技術が経済成長を後押ししてきたことは繰り返し示されていますが、近年は特に技術分野で「南北格差」が一段と目立つようになっています。<\/p>
デジタル経済の「特急列車」にどう乗るか<\/h2>
こうした格差に対応するため、丁副総理はダボスで、開発途上国がAIやスマートエネルギーなど、生活に直結する重要分野の技術を築けるよう、国際社会がより多くの支援を行う必要があると訴えました。より多くの国がデジタル経済の「特急列車」に乗り込めるようにすることが、持続可能なグローバル化には欠かせない、という視点です。<\/p>
中国のAI産業とガバナンスへの参加<\/h2>
中国では、中核となるAI産業の規模が約6000億元(約825億ドル)に達しているとされています。世界経済フォーラムの大中華圏チェアを務める陳黎明氏はダボスで、中国がWEFや他の国際機関との協力を通じて、国際的なAIガバナンス(ルールづくり)に積極的に関わっていると述べました。<\/p>
具体的には、中国は「グローバルAIガバナンス・イニシアチブ」を打ち出し、技術格差の是正とAIの安全性確保を目指しています。陳氏は、このイニシアチブが世界的な課題への前向きな応答であると同時に、AIガバナンスをめぐる国際社会の議論にとって重要な参考となり得ると評価しました。<\/p>
経済グローバル化の「パイ」を広げる3つの視点<\/h2>
今回の議論からは、経済グローバル化の恩恵を広く分かち合うための鍵として、次のような視点が浮かび上がります。<\/p>
- 保護主義や貿易戦争ではなく、開かれた貿易と協調の枠組みを維持・強化すること<\/li>
- AIや量子技術などのイノベーションを、新しい生産力として各国が共有し、連携しながら育てていくこと<\/li>
- 技術や資本が一部の国に偏らないよう、開発途上国への支援や国際的なルールづくりを通じて、包摂的なデジタル経済を構築すること<\/li>
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経済グローバル化をめぐる議論はしばしば「勝者」と「敗者」の物語として語られがちです。しかし、ダボスから聞こえてくるメッセージは、テクノロジーと協調を通じて、パイそのものを大きくする道を探るべきだというものです。AIをはじめとする新しい技術を、いかに公平で安全な形で共有できるか――。その答えを模索するプロセス自体が、これからのグローバル化のあり方を左右していきそうです。<\/p>
Reference(s):
cgtn.com








