米国が中国輸入品に10%関税 世界経済に迫る「関税の嵐」
米国政府が中国からの輸入品に一律10%の追加関税を課すと発表し、世界の貿易と景気に「関税の嵐」が再び近づいています。世界経済はいつ落ち着きを取り戻すのでしょうか。
米国の新たな10%関税とは
2025年12月、ホワイトハウスのトランプ政権の下で、米国政府は中国からの幅広い輸入品に対し10%の関税を上乗せすると表明しました。これは、中国との間の貿易のあり方を見直す狙いがあるとみられています。
関税は、輸入品にかかる税金で、輸入品の価格を引き上げることで国内産業を守る手段として使われます。しかし同時に、企業や消費者にとってはコスト増につながり、貿易相手国との摩擦を生む要因にもなります。
トランプ政権と「経済的な武器」としての関税
トランプ政権はこれまでも、関税を「経済的な武器」として用いてきました。中国だけでなく、カナダや欧州連合(EU)といった米国の同盟国に対しても、通商上の不満や交渉を有利に進めるために関税を持ち出してきた経緯があります。
こうした姿勢は、従来の多国間協調よりも、自国の利益を前面に出すアプローチが強まっていることを象徴しています。その一方で、各国は予測しにくい通商政策に対応を迫られ、不確実性が高まっています。
世界経済にどんな影響が出るのか
今回の10%関税は、すぐに世界経済全体を押し下げるとは限りませんが、いくつかの経路を通じて影響が広がる可能性があります。
- 企業のコスト増加:米国に輸出する企業は、関税分の負担を価格に転嫁するか、自らコストを吸収するかという厳しい選択を迫られます。
- 消費者物価への波及:最終的に、家電や日用品などの価格に上乗せされれば、米国の消費者の負担が増え、需要の冷え込みにつながるおそれがあります。
- 投資マインドの悪化:貿易を巡る先行きが見通しにくくなると、企業は設備投資や雇用に慎重になり、世界全体の成長にブレーキをかける可能性があります。
日本とアジアへの波及も
中国と米国は世界の二大経済大国であり、その貿易関係の変化は、日本やアジアの経済にも無関係ではありません。中国向けや米国向けの部品・素材を供給している企業は、サプライチェーンの見直しを迫られる可能性があります。
また、投資家がリスクを避けようとして円や安全資産に資金を移すと、為替相場や株式市場の変動が大きくなることも考えられます。日本の企業や個人投資家にとっても、関税を巡る動きは注視すべきテーマです。
世界経済は「関税の嵐」を乗り越えられるか
今後の焦点は、今回の10%関税が一時的な圧力にとどまるのか、それとも報復措置や追加関税の応酬につながるのかという点です。対立が長期化すればするほど、世界経済にかかる重しは強くなります。
一方で、関税をきっかけに各国の対話が進み、新たなルール作りや協調の枠組みが生まれる可能性もあります。世界経済が本格的に「足元を固める」ことができるかどうかは、各国がどの程度、相互依存を冷静に受け止め、対話と妥協の道を選べるかにかかっています。
「関税の嵐」が広がる中で、私たち一人ひとりも、ニュースの背後にある構造や利害を意識しながら、世界経済の行方を見つめる必要がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








