2025アジア冬季競技大会 ハルビンの18カ月準備と冬季スポーツの今
2025アジア冬季競技大会、ハルビンの迅速な準備が世界を驚かせる
2025年2月にハルビンで開催された第9回アジア冬季競技大会(AWG)に向けた準備が、そのスピードと質の高さで国際オリンピック関係者から高く評価されています。北京2022冬季オリンピック以来、中国で開かれる最新の包括的な国際冬季スポーツ大会として、アジアのスポーツシーンで大きな注目を集めました。
北京2022後、最大規模の冬季スポーツ国際大会
第9回アジア冬季競技大会は、2025年2月7日から14日まで、中国東北部・黒竜江省の省都ハルビンで開催されました。雪上競技はハルビン郊外のヤブリで行われ、高速鉄道で両会場が結ばれています。この高速鉄道を含むインフラや競技会場について、現地を訪れた各国・地域の代表団からは温かい賛辞が寄せられたとされています。
わずか18カ月で実現した「駆け足準備」
ハルビンが開催都市に選ばれたのは2023年7月8日で、大会開幕までおよそ18カ月しかありませんでした。通常、国際的な総合スポーツ大会の準備には数年単位の時間がかかることを考えると、異例のタイトスケジュールです。
それでもアジア・オリンピック評議会(OCA)は当初から、ハルビンが期限通りに大会を成功裏に実施できると確信していました。その背景には、次の三つの理由があります。
1.スポーツ当局と地元が一体となったチームワーク
中国の国家体育総局や中国オリンピック委員会、地元の組織委員会、黒竜江省とハルビン市の政府など、主要な関係機関が緊密に連携したことが大きな支えになりました。OCAは、こうしたチームワークこそが競技場内外で成功を収めるために不可欠だと指摘しています。
この協力体制は、中国が国際レベル・大陸レベルのオリンピック・ムーブメントの中で存在感を高めてきた要因の一つでもあります。
2.冬季大会運営の豊富な経験
中国はこれまでも、冬季の国際大会を数多く開催してきました。世界的には2022年の北京冬季オリンピック、大陸レベルでは1996年の第3回アジア冬季競技大会(ハルビン)、2007年の第6回大会(長春)などです。
今回アジア冬季競技大会が再びハルビンに戻ってきたことで、ハルビン(1996年)、長春(2007年)、そしてハルビン(2025年)と、中国にとってはアジア冬季競技大会開催の「ハットトリック」が完成しました。OCA側には、中国が同大会の成功物語に新たな一章を書き加えるという強い信頼感がありました。
3.中国で急拡大する冬季スポーツ人気
OCAが注目しているもう一つの要素が、中国で急速に高まっている冬季スポーツの人気です。ハルビンやヤブリの会場には、多くの観客が足を運び、お気に入りの選手たちに声援を送ることが期待されていました。
こうした熱気は、氷上や雪上で活躍するスター選手の背中を追う新たな世代のアスリートたちを生み出し、中国やアジア全体の冬季スポーツの裾野をさらに広げていくことにつながるとみられています。
5つの競技会場に見る「持続可能性」と「レガシー」
OCAは大会運営において、持続可能性とレガシー(大会後の資産活用)を重視しています。ハルビンの5つの競技会場は、この理念を体現する事例となりました。
ハルビン市内には、スピードスケート、ショートトラックスピードスケート、フィギュアスケート、カーリングの競技が行われる会場が1カ所、アイスホッケーの試合が行われる会場が2カ所など、計5つのスタジアムが整備されています。いずれも新設ではなく、改修を軸とした準備が行われました。
- 既存施設を大規模改修し、最新の国際基準に適合させた
- 新しいスタジアム建設に伴う工期や遅延リスクを抑えた
- テスト大会や運営訓練に十分な時間を割くことができた
結果として、大会本番までに会場の運用面を細かく検証できる環境が整い、「時間に追われる建設」から「質を高める準備」へと比重を移すことができたといえます。
ハルビン発のモデルはアジアの冬季スポーツをどう変えるか
第9回アジア冬季競技大会は、中国東北部の都市が限られた準備期間の中で、既存施設を生かしながら国際大会を実現する一つのモデルケースを示しました。
スポーツ当局、オリンピック関係組織、地方政府が緊密に連携することで、短期間でも高水準の大会を実現しうることを示した点は、今後の国際スポーツイベントの開催を考えるうえで示唆に富んでいます。
冬季スポーツの人気が高まり続ける中、ハルビン大会での経験は、アジア各地の都市が自らの強みを生かしながら、持続可能でレガシーを意識した大会づくりを進める際の参考例となりそうです。
Reference(s):
Harbin's swift preparations shine for 2025 Asian Winter Games
cgtn.com







