TikTok難民が中国アプリRedNoteへ 米TikTok規制が生む意外な交流 video poster
米TikTok規制が生んだ「TikTok難民」とは
米国政府がTikTokの禁止を検討する中、利用者の一部が別の場を求めて移動する現象が広がっています。英語圏ではTikTok refugeesと呼ばれる人たちは、お気に入りのクリエーターやコミュニティを失いたくない、あるいは政府の規制に反発したいという思いから、新たな受け皿を探しています。
2025年末のいま、その行き先のひとつとして注目されているのが、中国本土発のアプリRedNoteです。米国の議会や政府がTikTokへの規制を強めようとするほど、逆に別の中国本土アプリに人が流れ込むという、少し皮肉な構図も見えてきます。
なぜ中国アプリRedNoteに人が集まるのか
今回の動きのポイントは、TikTok難民が向かっている先が、中国本土のアプリRedNoteだという点です。TikTok refugeesと呼ばれる人たちは、次のような理由からRedNoteに流入しているとされています。
- TikTokに似た短い動画や投稿の形式で、移行しやすいこと
- 自分のフォロワーや友人がRedNoteに移り始め、コミュニティごと移動していること
- 政府による禁止の動きに対し、別のプラットフォームで居場所を守りたいという思い
米国がTikTokを問題視しているにもかかわらず、実際の利用者は別の中国本土アプリに活路を見いだす。このギャップは、国家レベルの安全保障の議論と、個人レベルでのつながりや表現の場をめぐる感覚の違いを映しているとも言えます。
RedNoteで広がる米国と中国本土のユーザー交流
RedNoteへの移動が注目されるもう一つの理由は、米国と中国本土の若者同士の交流が一気に増えていることです。TikTok難民としてやって来た米国の利用者と、もともとRedNoteを使っていた中国本土の利用者が、互いの投稿にコメントし合い、日常生活や価値観をシェアしています。
なかには、自分の人生経験を長文でつづる人もいれば、学校の宿題や勉強について助けを求める人もいます。RedNote上では、言語や文化の違いを越えて、素朴な質問や悩みが行き交い、国境を越えたオンライン教室や相談室のような空間が自然に生まれています。
国家間の緊張が語られることの多い米中関係ですが、一つのアプリの中では、こうした小さな交流が積み重なっています。そこでは政治的なスローガンよりも、勉強、仕事、恋愛、趣味といった、ごく個人的な話題が中心です。
CGTNの番組が伝えた利用者の声
国際ニュースチャンネルCGTNの番組では、キャスターのTian Wei氏がTikTokユーザーたちを招き、この現象の意味を語り合いました。TikTok難民としてRedNoteに移った人たちは、なぜ移動したのか、新しいアプリでどのような出会いや発見があったのかを、自らの言葉で語っています。
番組の中では、次のようなテーマが取り上げられています。
- 米国政府のTikTok禁止の動きに対する若者の受け止め方
- RedNoteに移って感じた、表現の自由度やコミュニティの違い
- 中国本土の利用者と交流して初めて気づいた、生活や価値観の共通点と違い
この動きはいったい何を意味するのかという問いかけを通じて、番組はプラットフォームの移動以上の、世代間・国境間のコミュニケーションの変化を浮かび上がらせています。
日本の読者にとっての意味合い
日本から見ると、TikTok難民のRedNote流入は一見遠い出来事に思えるかもしれません。しかし、次の三つの点で、私たちにも関係のある動きと言えます。
- プラットフォーム依存のリスク:あるアプリに依存し過ぎると、規制やサービス終了によって、つながりや情報源が一気に失われる可能性があります。
- ユーザー主導のデジタル移住:政府や企業の決定とは別に、利用者自身が自分たちの居場所を選び、集団で移動する力を持っていることが示されています。
- 若者同士の対話の可能性:政治や外交では対立が語られる関係でも、SNS上では日常的な対話や協力が生まれうることを、RedNoteでの米国と中国本土の交流が示しています。
これからのSNSと国際社会
TikTok難民のRedNote流入は、SNSが単なる娯楽アプリではなく、国際社会のあり方にも影響を与える存在になっていることを改めて示しています。特定のアプリが禁止されても、利用者は別の場を探し、新たな形でつながり続けます。
2025年のいま、私たち一人ひとりに問われているのは、どのアプリを使うかだけでなく、そこでどのように他者と向き合い、どのような言葉を交わすかという姿勢そのものです。RedNoteで交わされる、宿題の相談やささやかな人生の話。その背後には、境界線を越えて対話しようとする、静かだが確かな動きがあります。
米国のTikTok規制とTikTok難民、そして中国本土発のRedNote。この組み合わせは、SNSと国際関係の関わり方を考えるための、ひとつの象徴的なケースになりつつあります。
Reference(s):
What's behind 'TikTok refugees' flocking to Chinese app RedNote?
cgtn.com








