IOCバッハ会長に聞く 中国とオリンピックの協力強化 video poster
過去12年間、中国は南京ユースオリンピックから北京冬季オリンピック、成都ワールドユニバーシティゲームズ、杭州アジア大会、そして今月(2025年12月)のアジア冬季競技大会ハルビンまで、相次いで国際的なスポーツ大会を開催してきました。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、こうした流れをどう見ているのでしょうか。中国とIOCの協力をこれからどう深めていくのかをテーマに、中国メディアCMGの番組「Leaders Talk」で独占インタビューが行われました。
過去12年で浮かび上がるスポーツ開催国としての中国
国際ニュースの視点から見ると、この12年間に中国で開かれた一連の大会は、中国がオリンピック・ムーブメントにどのように貢献しているかを象徴しています。主な大会としては次のようなものがあります。
- Nanjing Youth Olympic Games(南京ユースオリンピック)
- Beijing Olympic Winter Games(北京冬季オリンピック)
- Chengdu World University Games(成都ワールドユニバーシティゲームズ)
- Hangzhou Asian Games(杭州アジア大会)
- Asian Winter Games Harbin(アジア冬季競技大会ハルビン)
これらの大会は、単なるスポーツイベントにとどまらず、中国が国際社会の舞台で存在感を高め、オリンピックの理念を発信する場にもなっています。
バッハIOC会長への独占インタビューの焦点
今回の独占インタビューで、CMGのZou Yun氏はIOC第9代会長であるトーマス・バッハ氏と向かい合い、「今後、中国とIOCがどのように協力を深め、強化していけるのか」という問いを投げかけました。過去12年の経験を踏まえつつ、未来志向でパートナーシップをどう進化させるかが議論の軸になっています。
番組「Leaders Talk」は、各国・地域のリーダーに長時間インタビューを行い、その言葉から国際情勢や世界の変化を読み解こうとするシリーズです。今回のバッハ会長との対談は、スポーツを切り口に国際社会のダイナミクスを考える内容となっています。
中国とIOCが協力を深めるための三つの視点
インタビューのテーマである「協力の深化と強化」を手がかりに、中国とIOCの関係を考えると、少なくとも次の三つの視点が見えてきます。
1. 若者と次世代アスリートへの投資
Nanjing Youth Olympic Gamesのような若者向け大会は、次世代アスリートを育てるだけでなく、若い世代にオリンピックの価値観を伝える重要な機会です。中国がこうした大会を開催してきたことは、IOCにとっても若年層とつながるうえで大きな意味を持ちます。今後の協力の方向性として、次のような取り組みが考えられます。
- 学校教育と連動したスポーツ・オリンピック教育プログラム
- デジタル技術を活用したオンライン競技や交流イベント
- 若手指導者や審判の育成プロジェクト
2. 冬季スポーツと地域発展
Beijing Olympic Winter Gamesや今月のAsian Winter Games Harbinは、冬季スポーツの振興と地域発展を同時に進める象徴的な大会といえます。雪と氷のスポーツを通じて、地域経済や観光、インフラ整備が進むことは、IOCが掲げる持続可能なオリンピックの理念とも重なります。中国とIOCの協力は、例えば次のような形で広がりうるでしょう。
- 冬季競技の普及に向けたコーチ派遣や技術交流
- 環境負荷を抑えた大会運営モデルの共同研究
- 冬季スポーツを軸にした国際交流プログラム
3. 国際交流と相互理解のプラットフォーム
Chengdu World University GamesやHangzhou Asian Gamesのような総合大会は、さまざまな国や地域の選手・関係者が集まり、互いの文化を知る場でもあります。スポーツを通じた相互理解の促進は、国際ニュースでも繰り返し取り上げられるテーマです。中国とIOCが協力していくことで、次のような広がりが期待できます。
- 大会期間中の文化交流イベントや対話の場の拡充
- 多言語での情報発信を通じた理解のギャップの縮小
- メディアやSNSを活用した若者同士の交流支援
オリンピック・ムーブメントにおける中国の役割
Editor's Noteが指摘するように、ここ12年の大会の積み重ねは、中国がオリンピック・ムーブメントにどのように貢献しているかを示しています。安定して大規模な大会を運営できる開催地の存在は、IOCにとっても世界的なスポーツイベントを継続して開くうえで重要です。
同時に、IOCにとって中国は、巨大なスポーツ市場であると同時に、オリンピックの価値観を広い層に浸透させるパートナーでもあります。大会運営だけでなく、日常のスポーツ参加をどう増やしていくか、デジタル時代に合わせてファンの体験をどう変えていくかといった課題についても、両者の協力の余地は大きいといえます。
私たちが考えたい三つの問い
今回のバッハ会長との独占インタビューは、中国とIOCという二者の関係だけでなく、スポーツが国際社会で果たす役割を考えるきっかけにもなります。読者として、例えば次のような問いを自分ごととして考えてみることができます。
- 大型スポーツ大会は、自分たちの日常のスポーツ環境や価値観にどんな影響を与えているのか
- デジタル時代において、オリンピックや国際大会をどう「見る/参加する」形にしていくべきか
- 国や地域を超えた交流の場として、スポーツに何を期待するのか
スポーツの国際ニュースを追うことは、単に結果やメダル数を知ることではなく、世界の変化を読み解く一つの窓でもあります。中国とIOCの協力がどのように進化していくのかを見守りつつ、自分の暮らしや地域のスポーツのあり方にも目を向けていきたいところです。
Reference(s):
cgtn.com








