ハバナと北京を結ぶ65年:中国・キューバ友好と新たな往来
2025年は、中国とキューバの国交樹立65周年にあたります。82歳の元パイロットが見つめる「ハバナから北京」への記憶から、ビザ免除や直行便再開まで、両国の長い友情と最新の動きを日本語で整理します。
82歳パイロットが語る「ハバナから北京」
「ハバナから北京まで飛ぶにはいくらかかるのだろう」。82歳の元キューバ人パイロット、Titoさんの問いかけは、単なる航空券の値段ではなく、中国とキューバの深い絆そのものを映し出しています。
1961年、Titoさんを含む223人の若いキューバ人が、中国で航空技術や整備を学ぶために海を渡りました。彼らは帰国後、キューバ空軍の中核として活躍し、祖国の航空分野を支える重要な人材となりました。
半世紀以上が過ぎた今も、Titoさんの中国への思いは色あせていません。古い写真や訓練修了証、手書きの漢字のノートなどは、希望と情熱、そして相互尊重に満ちた日々を物語る宝物です。Titoさんは、中国からの来訪者にメダルやノートを誇らしげに見せながら、中国での忘れがたい経験を静かに語り続けています。
国交樹立65年:中国・キューバの深い歴史
中国とキューバの関係は、国交樹立以前までさかのぼります。約170年前、最初の中国人労働者がハバナ港に到着して以来、両地域のあいだには人的な往来が少しずつ積み重ねられてきました。
その後、正式な外交関係が築かれると、政府間の交流だけでなく、市民レベルのつながりも徐々に広がっていきます。1961年の航空分野での研修プログラムは、その象徴的な一例です。若い世代が相手国で学び、帰国後に自国の発展に貢献するという流れは、今も両国関係の基盤となっています。
- 約170年前:最初の中国人労働者がハバナ港に到着
- 1961年:223人のキューバ人青年が中国で航空・整備を学ぶ
- 2025年:国交樹立65周年を迎え、人の往来と協力が一段と拡大
地理的には遠く離れた両国ですが、歴史と経験を共有してきたことで、時間と距離を超えた連帯感が育まれてきました。
ビザ免除と直行便再開:人の往来が加速
中国とキューバの友好関係は、ここ数年で「人の動き」という具体的な形にも表れています。昨年2024年にキューバで開かれた第42回国際観光フェアでは、観光相Juan Carlos Garcia氏が、中国の一般旅券所持者に対するビザ免除を発表しました。
これにより、中国の市民はビザ手続きなしでキューバを訪問できるようになり、観光やビジネス、文化交流のハードルが一気に下がったことになります。
同じ月には、中国とキューバを結ぶ直行便も再開されました。ハバナのホセ・マルティ国際空港では、伝統的な「ウォーターサルート(水のアーチ)」で第一便を歓迎。キューバの首相Manuel Marrero Cruz氏も空港に姿を見せ、この新しい空のルートとビザ免除措置が、両国の一層の友好を象徴していると強調しました。
- ビザ免除:手続きの負担を減らし、中国からの観光・交流を後押し
- 直行便再開:移動時間を短縮し、往来をより身近なものに
- 式典での歓迎:両国がこの変化を重視していることを内外に発信
Titoさんが思いをはせる「ハバナから北京」への旅は、こうした政策によって、かつてよりもはるかに現実的で身近なものになりつつあります。
日本の読者への示唆:距離を超える人と人のつながり
国際ニュースとして見ると、中国とキューバの関係は、地理的に遠い国同士がどのように絆を築き、維持してきたのかを示す興味深いケースです。歴史的なつながりから始まり、教育や訓練の協力、そして現在の観光・航空政策へと、交流の形は時代とともに変化してきました。
日本に住む私たちにとっても、「遠い国」との関係をどう深めていくかは決して他人事ではありません。ビザ制度や直行便の有無といった具体的な仕組みが、人と人の出会いをどれだけ左右するのかを考えるきっかけにもなります。
スマートフォン一つで世界中の情報にアクセスできる今だからこそ、Titoさんのように、実際に国境を越えて学び、働き、関係を築いてきた人々の物語に耳を傾けることには意味があります。数字や政策だけでは見えない、長期的な信頼の蓄積が、国際関係の底力になっていくからです。
2025年の節目の年、中国とキューバを結ぶ空のルートと人々の記憶は、時間と距離を超える友情のあり方を静かに問いかけています。
Reference(s):
From Havana to Beijing: A friendship that transcends time and distance
cgtn.com








