アフリカ女性起業家と金融革命 国際女性デーに見る変化
2025年現在、アフリカの金融セクターで、女性起業家への資金の流れを変える動きが加速しています。国際女性デーをきっかけに、この変化の意味をあらためて考えます。
アフリカの金融で起きる「変革」
アフリカ開発銀行グループで農業・人間・社会開発を担当する副総裁ベス・ダンフォード氏は、アフリカの金融セクターで「変革」が進んでいると指摘します。
これまで商業銀行など多くの金融機関は、「女性はお金の管理が苦手」というステレオタイプにとらわれ、女性主導のビジネスに十分な融資を行ってきませんでした。
しかし今、現場では「アフリカの女性が率いるビジネスに投資することは、金融セクターの収益にとってもプラスだ」という認識が広がりつつあります。
490億ドルの資金ギャップ
アフリカ開発銀行グループのイニシアチブである「Affirmative Finance Action for Women in Africa(AFAWA)」は、女性起業家が直面する資金不足の解消を目指す取り組みです。
このプログラムが焦点を当てているのは、アフリカの女性起業家が事業成長のために必要とする資金と、実際に受け取っている資金の間にある、推計490億ドル規模の「資金ギャップ」です。
AFAWAは、女性に届く資金を増やすことでこのギャップを縮小し、女性主導ビジネスの成長を後押ししようとしています。
なぜ男性の方が融資を受けやすいのか
ダンフォード氏によると、現在でも多くの場面で男性の方が女性より融資や金融サービスを受けやすい状況が続いています。その背景には、社会的な慣習や制度上のハードルがあります。
- 土地の権利証が女性名義になっていない
- 長年の慣習により、女性が資産を蓄積しにくい
- 担保として差し出せる資産や貯蓄が不足しがち
銀行から融資を受ける際には、多くの場合、担保となる資産や一定の貯蓄が求められます。こうした条件を満たしにくい女性は、事業計画があっても融資審査で不利な立場に置かれてきました。
固定観念から「ビジネスチャンス」へ
長年、金融機関側は女性への融資を「リスク」と見なしがちでした。しかし今、アフリカでは女性起業家への投資そのものが新たなビジネスチャンスとして捉え直されています。
女性主導のビジネスに資金が行き渡れば、新しい市場やサービスが生まれ、金融機関にとっても貸し出し先の多様化や収益拡大につながります。ダンフォード氏が強調するのは、女性への金融包摂が「社会正義」であるだけでなく、「収益性の高い投資」でもあるという点です。
ここでいう金融包摂とは、銀行口座や融資などの金融サービスが、これまで届きにくかった人々にも行き渡るようにすることを指します。
国際女性デーに考えるアフリカ発のメッセージ
国際女性デーは、女性の権利とジェンダー平等について考える世界的な機会です。アフリカの金融現場で起きている変化は、単に一つの地域の話にとどまりません。
女性の資金アクセスを妨げてきた慣習や制度を見直し、金融機関自身がビジネスの観点からも女性起業家を評価し始めているという事実は、世界の金融セクターにとっても示唆に富んでいます。
2025年の今、日本を含む各国・各地域の金融機関や政策担当者にとっても、「女性への投資は社会課題の解決であると同時に、自らの成長戦略にもなる」という視点を持てるかどうかが問われているのかもしれません。
Reference(s):
International Women's Day: Africa's businesswomen will not be ignored
cgtn.com








