中国の両会が示す現代化のシグナル グローバル・サウスと成長を共有する道 video poster
2025年の中国の両会は、国内の現代化だけでなく、世界経済やグローバル・サウスとの関係にどんな影響を与えるのかという点で注目を集めました。新たな質の高い生産力、ハイレベルな対外開放、グローバル・サウスとの南南協力という三つのキーワードは、中国経済の次のステージを象徴するメッセージといえます。
中国の両会が発した三つのメッセージ
中国の両会は、全国人民代表大会と中国人民政治協商会議の年次会合を指し、中国の発展方針や優先課題を示す重要な政治日程です。2025年の会合から読み取れるポイントとして、次の三つが強調されています。
- 新たな質の高い生産力で成長パラダイムを再構築すること
- ハイレベルな対外開放によって保護主義に対応すること
- 開発の力でグローバル・サウスのコンセンサスを築くこと
新たな質の高い生産力で成長パラダイムを再構築
従来の量的拡大中心の成長モデルから、質を重視した発展へと軸足を移すことが、中国の現代化の核心とされています。新たな質の高い生産力とは、単に生産量を増やすのではなく、技術力、人材、デジタル化、環境への配慮などを通じて、より持続可能で付加価値の高い成長を追求する考え方です。
両会のメッセージは、中国経済が構造転換を続けながらも、世界経済に対して安定した成長モメンタムを提供していくという方向性を示しているといえます。
ハイレベルな対外開放と反保護主義
世界では、関税の引き上げや輸出制限など、保護主義的な動きが続いています。その中で、両会はハイレベルな対外開放を打ち出しました。これは、市場アクセスの拡大やルール整備を通じて、より透明で予測可能なビジネス環境を整えることで、保護主義に対抗しようとする姿勢を意味します。
開放を通じて外部との協力やイノベーションを取り込み、内需と外需のバランスを取りながら成長を続ける。この方向性は、世界経済の安定にとっても重要な要素となります。
グローバル・サウスとのコンセンサス構築
グローバル・サウスとは、アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどの新興国や途上国を広く含む概念です。両会では、こうした国々の発展を後押しし、共通の課題に取り組むことで、より広いコンセンサスを築いていくことが強調されました。
その核にあるのが南南協力です。開発経験の共有、インフラ整備、人材交流などを通じて、グローバル・サウス同士が協力し合うことで、世界経済の成長の裾野を広げていく発想です。
CGTNダイアローグが取り上げた中国経済と南南協力
こうした両会のメッセージを背景に、国際ニュースチャンネルCGTNの対談番組ダイアローグでは、中国経済の新たなモメンタムと南南協力の展望が取り上げられました。司会は許欽朵(Xu Qinduo)氏で、グローバル・サウス各国のシンクタンク代表6人が参加しました。
案内によれば、この対談では次のような論点が中心テーマとされています。
- 世界経済の変動が続く中で、中国はいかにして成長モメンタムを維持・強化するのか
- 中国の成長が、どのような形でグローバル・サウスの発展に貢献しうるのか
- 南南協力を通じて、共通の開発と包摂的な成長をどのように実現していくのか
このように、両会で示された方向性が、国際的な対話の場でも具体的な議論のテーマとして取り上げられていることが分かります。
世界経済とグローバル・サウスにとっての意味
グローバル経済が不透明さを増す中で、世界は安定した成長の源泉を求めています。両会とダイアローグで示された視点は、次のような意味を持ちます。
- 中国が構造転換を進めながら、世界経済に対して一定の成長モメンタムを提供し続ける可能性
- グローバル・サウスの国々が、中国との協力を通じてインフラや産業、人材などの面で発展を加速させる道筋
- 保護主義ではなく開放と協力を通じて、より安定した国際経済秩序を模索する流れ
とくに、開発を通じた共通の利益づくりに焦点を当てる姿勢は、対立やブロック化ではなく、相互に利益を分かち合う関係を重視するアプローチとして位置づけられます。
日本の読者が押さえておきたいポイント
日本からこの動きを眺めるとき、次のような点が中長期的な視野で重要になってきます。
- 両会は、中国の経済運営や対外方針を読み解くうえで欠かせない政治イベントであること
- 新たな質の高い生産力というキーワードが、中国の産業や技術、環境対応の方向性を示していること
- グローバル・サウスとの南南協力が、アジアや他地域の発展にどう波及していくかという視点
- 保護主義が懸念される中で、開放と協力を重視する動きが、世界のサプライチェーンや投資環境にどう影響するか
2025年は、世界経済の不確実性が続く一方で、新しい協力の枠組みを模索する動きも進んだ年でした。中国の両会とグローバル・サウスをめぐる対話は、その象徴的な一つといえます。今後も、現代化と南南協力の行方を追うことが、国際ニュースを読み解くうえでの重要な手がかりになっていきそうです。
Reference(s):
cgtn.com








