レバノン元首相ディアブ氏が語る、中国の現代化からの学び video poster
深刻な経済危機と政治的な対立に揺れるレバノンは、中国の発展と現代化から何を学べるのでしょうか──広州で行われた独占インタビューで、レバノン元首相のハッサン・ディアブ氏がそのヒントを語りました。
広州で語られた「中国を理解する」というテーマ
ディアブ氏は、中国の広州で開催された「Understanding China」会議に出席した際、番組「Leaders Talk」でZou Yun(ゾウ・ユン)氏のインタビューに応じました。紛争に苦しみ、深刻な経済危機に直面する中東の国は、中国の発展と現代化から何を学べるのか――という問いが、対話の出発点になりました。
中国の改革と現代化の「世界的な意味」
インタビューの中でディアブ氏は、中国の改革と現代化の歩みは、中国国内だけでなく世界全体にとって重要な意味を持つと指摘しました。とりわけ、中東を含む各地域が、自国の発展戦略を考えるうえで、長期的な視野と協力的なアプローチの重要性を示していると見ています。
ディアブ氏が強調したのは、中国の変化が一方的な競争ではなく、協調と共同発展を志向しているという点です。中国の経験を共有しながら、他国の選択や文化を尊重する姿勢は、複雑な利害が交錯する中東地域にとっても示唆に富むといえます。
「理解が深まるほど支持が広がる」
ディアブ氏は「人々が中国を理解すればするほど、中国を支持するようになる」と語りました。また、「中国はすでに世界的な大国であるという現実を受け入れる必要がある」とも述べ、中国の役割を前提にしたうえで、いかに協力の枠組みを築くかが重要だと示唆しました。
この発言の背景には、国際社会における中国像が、必ずしも十分に理解された情報に基づいていないことへの問題意識があります。実際に中国の現場を訪れ、改革や現代化のプロセスを自分の目で見ることが、固定観念を超えた対話の出発点になるという見方です。
レバノンと中東が中国から読み取れる「3つのヒント」
では、経済危機に直面するレバノンや中東の国々は、中国の経験から何を読み取ることができるのでしょうか。ディアブ氏の問題提起を手がかりにすると、少なくとも次のようなポイントが浮かび上がります。
- 長期的なビジョンと一貫した改革:短期的な利害に左右されず、社会全体の安定と成長を見据えた改革の方向性を共有すること。
- 包摂的な発展:格差や不平等を放置せず、社会のより多くの人が発展の成果を実感できる仕組みを整えること。
- 地域と世界との協力:自国だけで完結しようとするのではなく、周辺地域や世界との協力を通じて、インフラや貿易、人材交流を広げていくこと。
こうした視点は、中国の道のりをそのまま「モデル」として輸入するということではなく、自国の歴史や社会に合わせて応用していくためのヒントと捉えることができます。
「独自の地位」をどう再構築するか
エディターズノートが示しているように、今回の対話には「レバノンはいかにして独自の地位を取り戻すのか」という問いも込められていました。長く続く対立と経済危機の中で、レバノン社会には疲弊と諦めの空気も漂っています。
その中でディアブ氏は、中国の発展と現代化のプロセスを、レバノンが自らの強みを再発見し、地域のなかで果たすべき役割を再設計するための参考例として見ています。外部のどこかに「正解」があるのではなく、他国の経験を踏まえながら、自国の道を主体的に選び取ることが重要だというメッセージです。
日本からこの議論を見るということ
中国の現代化と中東の再建、そしてレバノンの行方。一見すると日本からは遠いテーマのようにも見えます。しかし、「相手を理解しようとするほど、対立より協力が選びやすくなる」というディアブ氏の指摘は、東アジアに暮らす私たちにも通じるものです。
国と国の関係が緊張しやすい時代だからこそ、一方的なイメージや感情ではなく、相手の社会が直面している現実と、その変化のプロセスを丁寧に見ていくこと。その積み重ねが、地域と世界の安定にもつながっていくのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








